数字の魔力に憑りつかれた男
- 一人旅 さん
- 2020年5月5日 0時20分
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- 総合評価
ダーレン・アロノフスキー監督作。
数字の魔力に憑りつかれた男の運命を描いたサスペンス。
『レクイエム・フォー・ドリーム』(00)、『レスラー』(08)の鬼才:ダーレン・アロノフスキーが6万ドルの低予算で撮った長編デビュー作で、自宅のコンピュータがはじき出した216桁の数字に憑りつかれた数学研究家の男が体験する奇怪な出来事を描いた異色サスペンスです。
全編モノクロの映像と斬新な映像手法が異彩を放つ不条理サスペンスで、数字の魔力に憑りつかれた神経質な男が現実と妄想の狭間を彷徨う様子を悪夢的に映し出しています。羅列された216桁の数字を巡って謎の勢力に狙われるといった、現実とも非現実とも取れる展開が先読み不能なサスペンスフルな作劇となっていますが、物語の肝は、数字の探求によって次第に精神を蝕まれていく男の正気と狂気の孤独な鬩ぎ合いにあります。
そして、本作における徹底した不条理感覚が次作『レクイエム・フォー・ドリーム』で昇華していくことが分かる鮮烈の長編デビュー作です。
詳細評価
イメージワード
- 不思議
- パニック
- 不気味
- 恐怖
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