作品レビュー(9件)
- ちゃんちゃん
5.0点
ネタバレ傑作とは、こう言う作品の事。
このレビューにはネタバレが含まれています。 - 一人旅
4.0点
マイケル・カコヤニス監督作。 ギリシャ沖の小島に落下した核兵器を回収するため躍起になる軍人の一群と、島の人々の日常を描いたSFコメディ。 「核の恐怖」をテーマにしてはいるが、緊張感のないほのぼのとしたムードが充満しているのが特徴だ。核兵器が島に落下したことを島民に悟られることなく速やかに回収しなければならないため、軍人たちは観光客を装って島に上陸、秘密裏に捜索を開始する。軍服だと一発でばれるので、軍人たちはカラフル&ラフな服を着用。おまけに軍隊式の返事や言葉遣いもNGなので、上官にタメ口で話す軍人の姿には笑った。 軍人による核兵器捜索の模様と同時進行的に、戦闘機から核兵器を投棄した張本人である二人のパイロットが事態を基地に報告しようと奔走する姿が描かれる。この二人の行動がこれまたアホ丸出し。常に海パン一丁で、公衆電話を探し求めて島中をさまよう。こんな奴らに核兵器を任せちゃいけない。 核兵器落下という緊急事態にも関わらず終始明るいムードで物語は進んでいくが、タイトルの『魚が出てきた日』の意味が判明するクライマックスでそれまでの空気は一瞬で様変わりする。真実を知らずに乱痴気騒ぎを続ける島民と対比的に描かれる海の異変と島中に響き渡る警報。「もう手遅れだ...」という上官の言葉が絶望的に恐ろしく、意味深で不気味なラストショットが印象的だ。 明るい物語と映像を意図的に前面に出しながら、核がもたらす恐怖と死を最後に確信させる展開が絶妙。“核を軽く考えるといつか痛い目に遭うぞ!”という、世界に対する警告が伝わってくる。 核兵器が付近に落ちた...なんて想像するだけで絶望してしまうが、本作の作風は基本的に明るくポジティブ。カコヤニス監督は1964年にアンソニー・クイン主演で『その男ゾルバ』を監督している。どんな事態に直面してもめげない主人公ゾルバの異常にポジティブな精神が魅力的な作品だった。悲劇を表面上明るく描いてしまうのがカコヤニス流なのかもしれない。
- bakeneko
5.0点
ネタバレさかなさかなさかなー♪
このレビューにはネタバレが含まれています。 - oce********
4.0点
絵空事の設定ではあるはずだった。 しかし日本では素直に笑うのを躊躇うような中身である。 1972年。ギリシャの小島に二人のパイロットが飛来。 積んでいた荷物は原爆と金属で包まれたある箱。 なんとか二人は探そうとしているうちに、軍の関係者も変装して島にやってくる。 そんな時島で遺跡が発見され、観光客が大量に島にやってくる事態に。 ガイガーカウンターやら、原爆が海に落ちたから大丈夫だの、ヤバめの題材が繰り広げられる。 ブラックコメディという形だが、これらはもはや奇抜と切り捨てられない内容になっている。 そしてあっけにとられるラスト。 ここでタイトルの意味が分かる仕組み。 先見の明でいえばかなりのものを感じさせる。
- おおぶね
4.0点
フクシマの事故があってから、思い出したのが、この映画だった。 笑える映画で、こんな馬鹿なことはないだろう、と思っていた。 フクシマは魚はでてこないけれど、恐怖は高まるばかりだ。 ネタばれになるから書かないけれど、これからも核拡散して、大変なことになることは筒井康隆の「アフリカの爆弾」でもわかっていることだ。 制御できないことを制御したくなるのは技術者としては当然なことなのかもしれないが、危険といえば危険だ。 どうしてくれる!
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