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怪獣大戦争

怪獣大戦争

MONSTER ZERO

94

cyborg_she_loves

1.0

子供向け荒唐無稽映画

それでもまだゴジラシリーズも、最初の数作は曲がりなりにもリアリティを出そうと努力してましたけど。  この第6作まで来たら、もうリアリティなんて糞くらえ、子供たちの夢をかきたてられればそれでいい、と完全に割り切ってます。  この映画が公開された1965年と言えば、アメリカのアポロ計画が進行の真っ最中。もう明日にでも人間が本当に月の上を歩く日が来る、といって世界中が大騒ぎしていた時代。  そう遠くない未来に人類は太陽系全体を自由自在にかけめぐるようになるだろう、そして公害と人口爆発を解決するために別の惑星への移住計画すら本当に実現するかもしれないぞ、なぁんていうことを、夢いっぱいの子供たちは、なかば本気で空想していたものでした。  子供たちは、「遊星少年パピイ」とか「宇宙少年ソラン」とか、とにかく宇宙がテーマなら何でも大歓迎、的な雰囲気でテレビにかじりついていた、そういう時代でした。  この映画は、そういう時代の空気を反映し、そこに人気急上昇中のゴジラを乗っけて、子供たちを大喜びさせてやろう、ともくろんだものです。  この前後のゴジラ映画の公開日はすべて、12月20日前後。クリスマスプレゼントとして、あるいはお年玉として、子供たちが父ちゃん母ちゃんに劇場に連れてってもらってワクワクしながら見てくれるだろう、とアテにして作られた映画だったわけです。  私はこれを子供時代にリアルタイムで見ていた世代ですが、子供心にすらこの映画の安っぽさは歴然としていました。  怪獣というもの全般が好きだったので、全部劇場で見たわけではないけれど、テレビで放映されればかじりついて見てはいました。  そんな私でも、ゴジラが宇宙へ行くという話にはさすがに違和感を感じていました。  21世紀の今の観客には、なおさらでしょう。  いくらゴジラさえ出せば客が入るといったって、ゴジラに「シェー」なんていうポーズをやらせるほどゴジラというキャラクターに対する敬意も愛情もカケラも見られない映画に、もう存在価値はないでしょう。  当時の東宝映画をしこたま儲けさせたことで、もう役目は終えたので、あとはもう忘れられてしまってまったく構わない映画だと思います。

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