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怪竜大決戦

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5.0

戦国の世に火花を散らす

「番数も取り進みましたるところ、かたや~自雷也、自雷也~ こなた~大蛇丸、大蛇丸~ この相撲一番にて千秋楽にござりまする~」 大相撲で言うところの東西横綱の結びの大一番!東映のニュースター松方弘樹が“がまの妖術”をあやつる自雷也(ジライヤ)に。東映看板スター大友柳太朗が“昇竜の術”をあやつっての大蛇丸(オロチマル)に。東映2大スターの織り成す娯楽大傑作なる大忍術合戦。 私が一番皆様に紹介したかった、取って置きの怪獣映画『怪竜大決戦』をお届けします。 【戦国の世、近江の国・尾形城で謀反が起こり殺された城主の若君こと雷丸(イカヅチマル)は飛騨の国・蟇ヶ岳へと逃げ延びます。そこで“がま道人”という仙人に忍術・妖術を教わって青年となります。がま道人から両親の殺されたいきさつを聞かされた雷丸は己を自雷也と名乗り仇討ちの為に近江に旅立つのであった・・・】 戦車やミサイルでドンパチ攻撃するだけが怪獣映画ではございません。 東映の誇る時代劇でありますから放射能を吐くような怪獣はでません。火や水を吐くにとどまってます。なので余計に真実味に拍車をかけるのです。派手さでは現代の怪獣映画に引けをとりますものの、作品の完成度から見ますと少しも引けをとるところではありません。 まずは脚本の巧妙さに舌を巻き、卓越したカメラワークには目を瞠る。特に下から見上げるパーンなど、ありとあらゆる角度から演技者を追っていて我々凡人でも「ハッ!」とするはずであります。 そして胸躍らせる音楽使い。メイクや美術のセットに至るまでも何ら隙の無い仕上がりを見せています。巨竜と大がまのぶつかり合うシーンにおいては、お城のセットの巧みさなど当時の裏方さんの手抜きの無い渾身の職人技を堪能することになりますよ。東映恐るべし! さらにもう一つ作品のフィナーレを飾る時、誰が予想できるであろうかよもやのシーン。子供たちの心をつかむには打ってつけのとても夢のある物語として皆を納得させている。「終」の文字とともに・・・あっぱれ! こうして最後に、東映代表の「G」“ジライヤ”に軍配はあがるのであった。 東映が怪獣映画ブームにあやかり一味違う時代劇ベースで発表したもの。この作品は満を持して「東映が全国のよい子に贈る忍術大活劇」と銘打った子供向けの作品として生まれたのです。かくいうそんな私も子供時代に本作に出会い狂おしいほどに魅せられて今日この歳になっても昔と同じように一喜一憂できるなんて、何と言う嬉しいことか。素晴らしいことか。 人生を通してずっとこんな気持ちでいられることは、作品を制作する側(与える者)にとっても、我々観客(与えられる者)にとっても嬉しい限りです。 私の一方的な自己満足からなる紹介でしたが本当に皆様に鑑賞してもらいたいと心から願うものであります。

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