ここから本文です

学校の怪談 (1995)

GAKKOU NO KWAIDAN

監督
平山秀幸
  • みたいムービー 13
  • みたログ 529

4.10 / 評価:109件

子供社会を尊重した脚本

  • my******** さん
  • 2018年3月8日 18時01分
  • 閲覧数 856
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ホラーとファンタジーのバランスが絶妙な作品。小学3年の時みた作品だが、大人になって見るとその作風のすごさが改めてよく分かった。

この子供向け映画では珍しく日本アカデミー賞優秀脚本賞に選ばれただけあってセリフや導入部分、着地点が秀逸だった。

セリフはいかにも子供たちが自然と喋りそうな物かつ大人もクスッとしてしまう掛け合いが絶妙。言葉の歯切れもとても良い。特にガキ大将の中村の返しのセリフが等身大でうまい。母が学校へバイクで送った時の「感謝と反省!」「 ありがとう、もう寝坊しません」 「それ何回言ってんの?」「 だったら言わすな!」のくだりを筆頭に仲間や妖怪との絡みも屁理屈的な面白さにリアリティを感じる。その他にも見下すような冷めた女の子の篠田やガキ大将とつるむが実は純粋な将太、風変わりな双子など「絶対にいるよな、こういう奴」感が非常に良い。これも設定だけではなくセリフが自然で面白いからだと思う。監督や脚本家はちゃんと「子供たちの社会」を理解し制作してるんだなと感じる。

そして導入部分、終業式のあと様々な理由で子供たちが旧校舎に集まるのだが、その流れがとても自然にそれぞれに理由付けされていて面白い。旧校舎内ではどんどんお化けが出てきてリアクションがあっての繰り返しが始まるのだが、その中でもホラーやパニックだけではなく、友情や勇気、疎外感、初恋、センチメンタル、大人に向けてのノスタルジックさ、全てを子供の社会を通して表現していた。物語の着地点はホラー映画にありがちなグレーな感じにはせず、とても清々しい。旧校舎の中で様々な経験や感情を共有した彼らの友情は増し微笑ましい。それは「グーニーズ」や「スタンドバイミー」のようだった。

大人の登場人物も「いるいる」感がすごい。気弱でなぁなぁな先生。中村のヤンキー母さん。繰り返しになるが2人のセリフも人物像がよく伝わってくるものばかり。

ただちょっと残念な点は、ラスボス的に登場するインフェルノというモンスター的な妖怪。これをメインに持ってきたせいで盛り上がるシーンはB級のモンスターパニックムービーみたいになってしまった。

勇気、友情、恋、悲しみなど子供の頃、誰もが経験する感情が全部詰まっている。子供たちが夏休みが終わると一つ大きくなって見える事と同様に、子供たちはこの映画を見たらたくさんの感情を経験しひとつ大人になると思う。まさに自分がそうだった。本当に子供たちをリスペクトした映画だと思う。子供たちに向けたジュブナイル映画であり、大人になってもノスタルジーに浸れる作品。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ