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歌舞伎十八番「鳴神」 美女と怪龍

kyo********

4.0

もったいない話

何が「もったいないか」というと、この主演をした人が戦前からの共産主義者で、戦後は毛沢東思想に染まって、最後は歌舞伎を捨てたという話があることだ。 平安時代の迷妄の世界がよく描かれているし、役者の演技、はぎれのよいセリフ、日本語の美しさ、振る舞いの奥深さなどを堪能させてくれる。最後の舞台演技は歌舞伎の醍醐味を、歌舞伎から縁遠いものにも感嘆させてくれるほどの素晴らしさだ。 戦前、輸入文化として入ってきた共産主義が日本社会にもたらした根深さをあらためて感じさせられる。それは現在も進行形としてある。 音羽信子の「横目使い」がいい。

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