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キングコングの逆襲

キングコングの逆襲

KING KONG ESCAPES

104

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4.0

ドクター・フー復活希望(無理か!)

キングコング対ゴジラと勘違いして見始めたんで、いつゴジラが出てくるんだろうと悲しい期待をしながら見てしまいました。 「終」のタイトルを見て、これはキングコングが主役の映画だったんだとはじめて気が付きました。 あの時代独特ののチープ感はあるものの、さすが、アメリカからわざわざキングコングの権利を買ってまで作り、創業35周年記念映画と銘打っているだけに、その力の入れようは並大抵のものではありませんでした。 今回鑑賞してみて、その特撮の隅々にまでいきわたった熱き魂がひしひしと感じられたのです。 まず冒頭の潜水艦シーン。 科学調査船がわざわざ潜水艦である必要性が那辺になるかはわからないのですが、海底を行く潜水艦のシーンは、さすが東宝特撮作品の幕開けにふさわしいものでした。 怪獣もキングコングをはじめ、メカにコング、ゴロザウルス、大ウミヘビと次々に登場。 ラスト近くのキングコングとメカニコングの東京タワーでの決戦は、東京タワーの造形も素晴らしく、手に汗握るものとなっています。 物語も正邪入り乱れてのエレメントXなるエネルギー物質を巡っての争奪戦。 そこに怪獣、ロボットまで登場して、豪華でメリハリの効いた、飽きることのない展開となっています。 何よりもマッド・サイエンティスト、ドクター・フーを演じた天本英世と、謎の国際スパイ、マダム・ピラニア(そんな名前だったっけ?)を演じた浜美枝が最高。 天本氏は自分の科学力を試すためなら政治思想だの正義だのには関心を持たないマッド・サイエンティスト魂を体当たりで演じてくれています。 黒ずくめの中国風の服を着たドクター・フーの手下どもも意外に個性的(堺左千夫、黒部進ら)で彼らにはいつかまた登場してほしいと思うくらいでした。 それだけに、ラストでドクター・フーが死んでしまったのは残念極まりないものでした。 いっそ『ドクター・フーの逆襲』なんてのを作ってほしいくらいだったのですが。 ドクター・フーってフーマンチューなんでしょうね、もとネタは。 浜美枝はさすがボンドガールの貫禄。 お鼻に特徴のある、美人というよりは可愛らしい雰囲気の女性で、この作品の中では世界征服の野望に燃える東洋の小国の美人スパイという設定。 当時はまったくの架空の国として登場したのでしょうが、今日だったらとうしても将軍様のあの国を思い出しちゃいます。 浜美枝も、はじめはドクター・フーをも手玉に取るような女傑のようでありながら、国連科学委員のネルソンは丁重にもてなすという紳士(淑女)ぶりを見せ、作戦が失敗したと見るや、無駄な死は潔しとしない高潔な姿を見せます。 とにかく、この二人がこの作品のすべてと言ってもよいでしょう。 気合の入った大怪獣たちの戦いも、特撮も、二人の怪優のまえにかすんでしまうのでありました。

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