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ゲンと不動明王 (1961)

監督
稲垣浩
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3.90 / 評価:10件

峠に生きる子どもたち

  • pin***** さん
  • 2014年7月13日 15時43分
  • 閲覧数 789
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

木曽、馬籠に生きた児童文学者、宮口しずゑの代表作『ゲンと不動明王』の映画化。

児童映画にしてはいささか暗く、救いようがないかに見えますが、児童映画と言いながら、当時の東宝スターの豪華な顔ぶれが、うれしい作品でもあります。
なにしろ、不動明王にふんしているのは三船敏郎なのですから。

物語は長野県の南の端、山口村馬籠(現岐阜県中津川市)が舞台。

ロケ地はたぶん、違う地域だろうと思います。
馬籠にしては山がなだらかすぎますし、みはるかす東濃の地にしても広々とし過ぎています。

こうした風土と切り離すことのできない作品は、象徴的な部分だけでもその地域でロケしてほしいような気がしました。
木曽、馬籠と言えば島崎藤村の『夜明け前』の舞台でもありますが、『ゲンと不動明王』も『夜明け前』も物語としての暗さを、馬籠という西方に開けた風土が明るくしているのです。

吉村公三郎の『夜明け前』のように現地ロケをしてほしかったものです。


貧乏寺の兄妹のゲンといづみは、父である和尚が後添えをもらうことから、離れ離れにならざるを得なくなります。

ゲンは、父の知り合いの蘭(あららぎ)の寺の和尚の口添えで、蘭(あららぎ)にある商店にもらわれていきます。

しかし、ゲンの生来の悪戯好きから、実家に帰されてしまいます。

一方、ゲンの父がもらった後添えも、厳しい山寺の暮らしに嫌気がさし、いづみを置いて、中津川の実家に帰ってしまいます。

描かれているのは経済的に苛酷な現実と、それに翻弄されながらもたくましく生きようとする子どもたちの姿です。

ラストにしても、結局あきらめて現実を受け入れざるを得ない子どもたちと後添えの母親ですが、不思議に暗さを感じさせません。

あの時代の希望がそうさせたのでしょうか。
いや、やはり、開けた平野を見はるかす峠の風土が、人々を明るくしているのだと思うのです。

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