ここから本文です

ゴジラの逆襲 (1955)

GIGANTIS:THE FIRE MONSTER/GODZILLA STRIKES AGAIN!

監督
小田基義
  • みたいムービー 9
  • みたログ 279

3.09 / 評価:117件

商業主義の落とし穴

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2019年8月19日 22時28分
  • 閲覧数 442
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

「ゴジラ」シリーズを年代順に見て行くと、商業主義というものがいかに当初の天才的着想を平板化し、通俗化し、滑稽化していくかを如実に目の当たりにするような気がします。

 第1作がなぜあれほどの空前絶後の大ヒットを達成したかを、東宝は読み違えた。
 第1作は「怪獣映画」というより、「恐怖映画」の空前絶後の秀作だった。
 ゴジラはあくまで科学的・生物学的存在という設定ではあるし、実際に最後は科学的手段で倒されるのだけれど、通常の兵器がまったく通用しないという意味では、幽霊的に不気味な、恐ろしい存在だった。夜空を背景にボーッと浮かび上がるこの巨大で不気味な姿の演出が、とにかく秀逸だった。

 ところが、この第1作が空前のヒットを記録したおかげで、この興奮が冷めやらぬうちに大急ぎで第2作を作ってさらに儲けようとした東宝は、ゴジラ一匹でこれだけ儲かるなら怪獣を二匹出せば倍儲かるだろうとばかりアンギラスという(どうみても不気味でもカッコよくも何ともない凡庸な)怪獣を登場させ、貧弱な特撮でチャラチャラ動き回る取っ組み合いを映し出して、とんでもなく薄っぺらく軽い「怪獣映画」を作ってしまった。
 第1作では本当に見上げるように巨大に見えたゴジラが、このチャラチャラとした早回しの動きのおかげで、この第2作ではどう見ても人間大の着ぐるみにしか見えません。

 ところがどういうわけか、こんな軽い映画が、前作に劣らぬ興行収入を上げてしまった。
 ここでゴジラの運命は決まりました。夏休みのたびに「ゴジラ対○○」という映画が大量生産され、着ぐるみ同士がドタバタと暴れまわる映像を見に子供たちが映画館に押しかけて、晴れてゴジラは小学生の人気者となるのでありました。

 平成ゴジラはこの軽さを払拭しようとして、特撮の質を上げ、ゴジラの造形をカッコよくして人気を博しましたが、第1作のような恐怖感は、もう二度と戻ってくることはありませんでした。
 映画会社はゴジラで金を儲けようとすればするほど、ゴジラの質を低下させて行ったのだと思います。

 私は個人的に、1950~60年代特撮映画の最高傑作は、第1作ゴジラと、「大魔神」だと思いますが、大魔神が成功した最大の理由は、3作で打ち止めにしてそれ以上シリーズ化しなかったことにあると思います。大量に類似作を作って観客から金を取れるだけ取ろう、としなかった。

 映画がヒットしすぎるのも問題だな、と、私なんかは思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ