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死霊の罠

illbeback1229

1.0

ゾンビが出ないのに「死霊」という題名は…

本作も現在開催中の映画祭「カリコレ」旧作部門での上映ラインアップ作品だけど、自分は鑑賞予定ではなかった。  しかし、自分が愛読している映画雑誌に本作を絶対に観ろというアドバイスがありそこから興味が沸き、主演がなつかしの小野みゆきだったのも手伝って鑑賞した。  内容は小野みゆきが演じる女性レポーター宛に送られてきた謎の女性惨殺ビデオの撮影場所を見つけ、その場所で何者かに襲われるというスプラッターホラー。  初っ端の惨殺シーンがなかなかだったのでこれは楽しみと思って観ていたけど、自分にはその最初の惨殺シーンが一番ピークだったと思う。  そして、共演者には製作側がAV会社なのか今はなつかしのAV女優も数人いて、特に昔AV女優のトップにいた若き小林ひとみが出てたのは嬉しかったが、多分彼女も犠牲者でこういうスプラッター映画御用達のエッチ担当なんだろうなあと思っていたら案の定そうだったんだけど昔のアダルトビデオを大画面で観ているようだったのでそれはそれでよかった。  確かに所々日本のホラーも頑張っていたなと感じ取れる惨殺シーンがあったのは収穫ではあったんだけど、「この映画は一体何に向かって作っているんだ?」と叫びたくなってしまうほど話や設定や展開がハチャメチャになっていたのは悪い意味で意外過ぎた。  シンプルに惨殺ビデオに使われた撮影場所の工場内でスタッフがどんどん殺されていくという設定にすればいいものを1970年代や1980年代に作られた有名な数々のホラー映画のいいとこ取りを沢山盛り込む為に話を超がつくほど強引に作ってしまっているので作品が大量のC4爆弾で破壊されたような崩壊をしてしまっているのだ。(自分が感じた限りでは「サスペリア」「13日の金曜日」「ヴィデオドローム」「エルム街の悪夢」「エイリアン」「死霊のしたたり」等々…)  そこに「何でそうなる!?」「どうしてそんな行動を取る!?」と人間としての常識的な行動を全て無にするようなとんちんかんな行為をするので「観ているこちらの常識がおかしいのか?」と錯覚を起こしてしまう。  加えて犯人は単独犯のはずなのに小林ひとみが串刺しにされるシーンはどう考えても3人いなければ出来ないという矛盾に、刺される時の効果音が「必殺仕事人」の中村主水が刀で斬る時の音にとても似ていたのもバランス悪かったし、「どう考えてもおまえが犯人だろ!」と出た瞬間確信できる突然出てくる上はジャケットを着ているのに履いているのはぞうりという全壊ファッションの謎の男の自作自演ぶりには今作に関わった人達には大変申し訳ないが笑いをこらえるのに必死だった。  ダメ押しは題名が「死霊の罠」で死霊=ゾンビなのにゾンビなんて一切出てこないというオマケ付きだ。  1980年代のホラー映画の邦題はなんでも「死霊の…」とつけたがるのでそれにあやかったのだろうけど…これにはもう呆れるしかなかったが、本作を観た事を何故か後悔してないのは内容や設定を間違わなければ日本のスプラッター映画も捨てたものじゃないとどこかで感じ取っているからかもしれない。

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