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世界大戦争 (1961)

LAST WAR

監督
松林宗恵
  • みたいムービー 15
  • みたログ 72

3.88 / 評価:34件

職人技

  • kin***** さん
  • 2019年10月13日 12時33分
  • 閲覧数 338
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

Amazon primeで観賞。
アメリカ・ソ連の冷戦構造と、朝鮮半島38度線の一触即発状況を背景に、世界大戦の危機を描くという意欲作。米ソ両軍と日本政府首脳の動き、そこに運転手フランキー堺を中心とする庶民たちを絡ませて、世界大戦の恐怖を庶民目線で語っていくという、八住利雄の職人芸が際立つシナリオ。

 演出もそれにうまく乗って、上々の娯楽作になっています。日米の混血児の話や、星由里子と宝田明の恋物語など、下手にやると水と油みたいに分裂した構成になるところが、少々強引ながらちゃんと結びつく。
庭のチューリップを見て「芽を出さなくて良かった。土の中にいれば生きていられる」と星由里子が語り、フランキー堺は、物干し場で「母ちゃんに温泉地の別荘を買ってやるんだ。娘はスチュワーデスにするんだ、息子は大学出すんだ」と語る夢は怒りに昇華する。航海中の宝田明は、放射能に汚れた東京に帰る決心をする、それぞれに結末とカタルシスをきちんと与えて終わる。絶望的な物語に希望を残す、まさに職人芸。

 あまり感心しないのは、首相を中心とする閣僚会議。説明セリフの連続で、七曲署の捜査一課みたいなシーンになってます。豪華キャスティングで埋めてますが、それでもチャチイ。

 円谷英二の特撮がまた見事。ミニチュアなのは当然バレますが、よくぞここまで作った、というマニア垂涎の完成度です。CGではとてもこの味わいは出ない。架空の物語だけに、ミニチュア特撮の世界がぴったり合っていると思います。
 このころの日本映画は本当に質が高い。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ファンタジー
  • スペクタクル
  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
  • 切ない
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