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上映中

大魔神怒る (1966)

THE RETURN OF GIANT MAJIN

監督
三隅研次
  • みたいムービー 6
  • みたログ 218

3.51 / 評価:85件

入魂の一品

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2017年10月26日 0時49分
  • 閲覧数 657
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 映画も連作なら私のレビューも連作です。続きのつもりで書いてます。

 単独で見れば文句なしに最高に好きな映画のひとつですが、映像は、前作のリアリティと比べると、ちょっとだけ漫画っぽくなっちゃってるのが惜しいです。明らかな「十戒」の真似(しかもチープな)。大岩を投げるシーンは見るからに岩が軽そう。等々。
 ☆5つよりも減らそうと思うほどの欠点だとは思いませんけれど。

 でも、基本的には前作に引き続き、ものすごい大規模なセットを作って(よくこんな広大な城だの、島だの、岩山だののセットを作れたもんだな、と思いました)、当時としては最高レベルの特撮を駆使して(今見ても全然不自然感がない)、もう製作者全員が画面の隅々までとことんこだわりまくって作ったのが非常によくわかる、入魂の作品です。

 ただ、いやこれは前作でも思ったんですが、日本の神様の祭に明らかなトーテムポールの模倣が出てきたり、神様をまつるのに梵鐘を鳴らしたり(そりゃ仏教だってば)、そいでまたその梵鐘が屋根もない丸太の木組みにただ吊るされていたり(音が響かないし、雨で錆びてすぐ駄目になるってば)、わりと宗教関連の描写にヘンなところが多いのがご愛嬌でした。
 いやいやしょせんは娯楽映画なんだから、「それっぽい」と感じさせたら十分ではあるんですけど、最近の観客は知識も増えてて、目も肥えてきてますから、昔なら単純に「すげー」と思えたシーンがそうでなくなってきてるのも事実かな、とは思いました。

 ま、そこらあたりは、笑ってスルーして見ましょうよ。だいたい、悪いことしたら確実に天罰が当たるなんて、現実の世の中ではぜったいありえない話なんだから。あくまで娯楽映画ですから。

 この典型的・定型的な、いや、「おとぎばなし」的とすらいえる、善悪の明白すぎるほどの対比は、ひとえに、ヒロイン(前作は高田美和さん、こちらは藤村志保さん)の完璧な清らかさを演出するための、道具立てだと、今回見てて思ったんですよ。
 これだけ清らかな、美しい、純真な、もう天使のような心を持つ女性が、ここまでひどいめにあう、ということに観客自身が怒りを感じるように作ってある。それが限界まで来たところで、魔神さまがおもむろに登場するから、爽快なカタルシスが得られる。

 それから、前作のレビューでは書き忘れたのでここで書きますが、この作品での伊福部昭さんの音楽、同氏のなみいる怪獣映画音楽の中でも、私は最高傑作だと思っています。いつもどおりの重厚さ、迫力に加えて、ここには神秘的な雰囲気がある。ちゃんと画面をご覧になって、その雰囲気を表現できるように、音楽を作られてるんですね。
 西洋クラシック音楽全体の中で言っても、私にとって伊福部昭さんは、アントン・ブルックナーと並んでもっとも崇拝している作曲家です。

 また長くなっちゃ多(笑)。この映画について書きたいことは無限にあるんで。

詳細評価

物語
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音楽

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