ここから本文です

日本誕生 (1959)

THE THREE TREASURES

監督
稲垣浩
  • みたいムービー 14
  • みたログ 82

3.60 / 評価:35件

個人的に必要不可欠な作品でした。

  • nqb******** さん
  • 2013年6月9日 8時45分
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

 個人的にはとっても面白かったし興味深かった。ちょうど神社検定の勉強中だったので、役立ちました~。三船敏郎が倭健命(やまとたけるのみこと)と須佐之男命(すさのおのみこと)の二役やってます。んで弟橘比売(おとたちばなひめ)が司葉子。美夜受比売(みやずひめ)が香川京子。熊曾健(くまそたける)兄が志村喬。熊曾健弟が鶴田浩二ですよ!音楽が素晴らしいです。荘厳で日本誕生にふさわしい。
 
メインストーリーは倭健命の西の国平定と東の国平定の話なんですが、その合間に語り部の媼の話などで、天石屋戸や八岐大蛇退治のエピソードが入ってます。

 古事記では小碓命(おうすのみこと)、後の倭健命ですが、彼は兄である大碓命(おおうすのみこと)を朝の食事に出てこないから様子をみてくるように父である第12代景行(けいこう)天皇からいいつけられると厠に行こうとしていた大碓命を惨殺してしまうのですが、この作品では小碓命は兄を殺さずに追放してるんですね~。とにかく小碓命はみんなから好かれて尊敬されてる存在。叔母である倭比売命(やまとひめ)も小碓命をわが子のように溺愛しています。そして東の国へ出征するときに草那芸剣(くさなぎのたち)と御嚢(みふくろ)を渡します。この倭比売命は田中絹代がやってます。

 熊曾健を倒すときに倭健命は叔母の倭比売命にもらった衣装を着て女装して熊曾健の新築祝いの宴に行くのですが、ここが可笑しい。次々に熊曾健兄(志村喬)に女たちが貢物を捧げにいきます。女装している三船を志村喬が「美しい。どこから来たのだ。綺麗な目をしている」とか言います。爆笑です。たしか倭健命は中性的な容姿の美少年だったように思います。それだからこそ、女装して熊曾健に近づく作戦は説得力を持つわけですが、さすがにこのとき30代半ばの三船敏郎の女装は無理があります(笑)でも、三船と熊曾健弟(鶴田浩二)の戦いは見ものではあります。鶴田浩二のつぶやきがいい。「俺は兄とは違うんだがなぁ。」

 天石屋戸のシーンは個人的にもとっても面白かったし勉強にもなった。喜劇人総出演って感じです。日本最古のストリップがきちんと映像化されているとは!(笑)スイマセン、本当は神楽舞なんですけどね。一番知恵のある思金神(おもいかねのかみ)が柳家金五楼。鏡を作る伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)に有島一郎。鍛冶屋の天津麻羅(あまつまら)に小林圭樹。500個の勾玉をつくる玉祖命(たまのやのみこと)にエノケンこと榎本健一。太御幣(ふとみてぐら)を持つ布刀玉命(ふとだまのみこと)に加藤大介。天石屋戸の前で祝詞を奏上する天児屋命(あめのこやねのみこと)に三木のり平。そして天手力男神(あめのたぢからおのかみ)は当時の横綱なのかな、朝汐太郎。台詞もある。「俺は力は誰にも負けないが知恵はダメだ」
 じゃあ、誰が天宇受売命(あめのうずめのみこと)を演じているかというと、なんと!乙羽信子なんですね~。さすがに1959年の映画なので裸踊りといっても胸すらはだけません。でもこの乙羽信子の踊るシーンは圧巻です。一見の価値アリです。そして天照大御神は、この人しかいないだろうと思う原節子がやってます。さすがに凛とした気品があります。
 もうひとつ面白かったのは、やっぱり避けては通れない須佐之男命による八岐大蛇退治の場面。個人的にはこっちの三船のほうが断然あってるとおもいます。特撮は円谷英二が担当しています。この八岐大蛇の場面は人間が入る着ぐるみではない操演として動かしたはじめての怪獣だそうである。これがベースになって後のキングギドラにつながるのだ。今観るとひどくちゃちく感じてしまうがCGもない時代にこれだけの特殊撮影を行った円谷さんには頭が下がる。特に八つの瓶に酒を満たして八岐大蛇の出現を待つシーン、水面が盛り上がって瓶の縁まで水が溢れ出す場面は演出としても秀逸。おどろおどろしい雰囲気が特によく出ている。
 
 クライマックスで倭健命が景行天皇の取り巻きの謀略にあい命をついに落としてしまいます。このへんはちょっと古事記からは脚色されていますけど、倭健命が白鳥になって空を旋回するとたちどころに天変地異が起こり倭健命を陥れた手勢たちは溶岩にのまれ地割れに落ち、洪水にのまれてしまいます。まさにこの天変地異のシーンは円谷プロの面目躍如の特撮がここぞとばかりに使われててすごい迫力になってます。この作品が日本の特撮史に残る作品であることは間違いありません。そして日本の神話を真正面にとらえた数少ないというかほとんど唯一の「傑作」だとオイラは考えてます。日本の神話自体がタブー化されて若い世代に伝えられることがなくなってしまっている昨今、こういう作品はとても貴重だと思うしもっと評価されるべきだとも考えています。

 

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ファンタジー
  • スペクタクル
  • ゴージャス
  • ロマンチック
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • セクシー
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ