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日本誕生

日本誕生

THE THREE TREASURES

182

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4.0

伝説のなかの神話

1959年。稲垣浩監督。古事記のヤマトタケルの伝説を元にして恋愛を絡めた壮大な歴史劇。「東宝1000本目」という胡散臭いとはいえ歴史ある日本映画をそれなりに証明しもする節目として、出演陣は豪華そのものです。日本における映画の絶頂をちょうどすぎたところで、豪華キャストで客を呼ぼうという作品が多くなるころということもわかります。主役の三船敏郎から田中絹代、原節子、杉村春子、司葉子、香川京子、中村鴈治郎。そしてものすごい脇役で鶴田浩二や志村喬、加東大介から柳家金語楼、左卜全、榎本健一まで。 円谷英二監督が担当した特撮は今見たらかわいそうなほどですが、まあよくできています。ヤマトタケルの時代の人々がアマテラスやスサノオの神話を回想するという展開で、それ自体も伝説のはずのヤマトタケルの時代と神話の間に階層がつくられています。しかも1959年という時代に生きてた役者たちが演じているのですから、階層は三つ。ラスト近くの三船のセリフ「かつてあった大らかな高天原の日本を取り戻さなくてはいけない」にあるように、リアルかフィクションかという二分法ではなく、3つの階層を貫いて原初の純粋性を回復しようという話になっています。 「踊り」のシーンがいくつかあるのですが、みな心に残る奇妙な踊りでした。

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