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ハワイ・マレー沖海戦 (1942)

監督
山本嘉次郎
  • みたいムービー 14
  • みたログ 53

4.14 / 評価:22件

受け継がれる伝統の精神

  • kor***** さん
  • 2014年4月11日 17時09分
  • 閲覧数 984
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

海軍省の至上命令によって東宝が製作した戦意高揚・国策映画。特撮を担当した円谷英二の先進的な技術や、一人の平凡な少年が立派な海兵になるまでの行程を成長物語として山本嘉次郎監督が繊細に捉えている。

個人的に非常に印象に残ったシーンとして「海軍魂」を上官から注入されるシーンがある。絶対服従の下に犠牲的精神と攻撃手精神を完遂させる精神論を唱えているのだが、この精神はだいぶ薄まってはいるが現代にも受け継がれている気がする。

例えば野球である。犠牲的精神はチームの勝利のために個性を殺し、自ら進んで駒となるプレー「バント」に代表されるように、日本が掲げるの「スモールベースボール」の原典でもある。攻撃的精神は作中にも語られている通り、わかりづらいかもしれないが「完投精神」である。甲子園で150球以上を連日投げる投手は他国から見たら気が狂っているような使われ方かもしれない。しかし、語りづかれる伝統、そして勝利のために下す続投は如何に科学的に非難されようが、ここ日本では美化されてしまうのだ。(スポーツの根源は美しさである気もするので、これが良いか悪いかは判断しにくい)「基地には戻らないつもりでいろ」と上官に言われ微笑む兵士。祖国のために命を捧げる事に何の躊躇もない兵士の精神は随分と遠い国のものに感じてしまうが、その根源は私の血にも流れているのだと思う。

ふんどし一丁で水泳キャップを被り、10mはあろう崖から海に飛び込む訓練は精神を鍛える以外何物でもない。坊主なのにキャップを被る意味なんて言葉では説明しにくい。とにかくやれ。やればわかるのだ的な理屈。

主人公が少年から一人前のパイロットになるまでを訓練映像含め端的であるがしっかりと描いている。勿論友人の死など、過酷な戦場も加えつつ、あくまで「日本人は優れている。アメリカは呑気だ」と強調した戦意高揚は随所に見られる。ミニチュアフィギュア&スローで臨場感を出す円谷の映像は後の『ゴジラ』などの特撮映画に引き継がれていく技術である。

そして、カメラが急に主観映像に切り替わり、夢の中で家族と再会する幻想的なシーンは山本監督の個性を存分に感じる。原節子の初々しさも拝見できたし、ラストはやはり「軍艦マーチ」で締める辺り気持ちが高ぶらないと言えば嘘になる。

詳細評価

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