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ハワイ・マレー沖海戦 (1942)

監督
山本嘉次郎
  • みたいムービー 13
  • みたログ 53

4.14 / 評価:22件

勝ったら嬉しい!

戦意高揚映画の‘高揚”の部分は、
気分が高揚することだと思う。

だとすれば、ダイ・ハードや
インディ・ジョーンズや007だって
充分戦意高揚映画になりえる。
だって、
ダイ・ハード見てテンション低くいられる人っていないでしょ?

それと同じ。
21世紀はテロリストをぶっ殺す事で興奮するのに対し、
軍国日本では米英をぶっ潰す事に興奮する。

今アメリカをぶっ潰す映画がはやらないのは、
そういうジャンルが西部劇みたいに落ち目だからであって、
別に第二次世界大戦は関係ない。
それに、
戦争してるかどうかに関わらず、
味方が負けて苦しんで野垂れ死にするような映画って、
一般受けしないでしょ。


でもって、
現代日本を歩む若い世代である私などは、
今作が最近の屈折した戦争邦画に比べて、
なんと新鮮で面白いと思ったことか!




実に主張がダイレクトである。
戦争の本質は、
戦闘に付随する陰気くせえ敗走話や人肉食などではなく、
敵を叩き潰す事だ。

勝ったら嬉しい!

この映画はそんなシンプルなことを言っている。


米国海軍の太平洋艦隊を片っ端から轟沈し、
コンビナートを火の海に、
港は大爆発!

英国東洋艦隊の巨大な主力戦艦はイジメみたいに爆撃機で撃ちまくる。
敵戦艦はボンボン爆発してガンガン沈む!

しかもBGMは『ワルキューレの騎行』!!
ドンくさい九六式陸攻が、
まるでヒューイの編隊に見える。


やべぇ・・・カッコよすぎるぜっ!!

セリフもいちいちキてる。

 「機長!もう帰りの燃料しかありませんっ!」
 「基地へ帰るとは思うなっ!」
 「はっ!それならまだ充分あるでありますっ!(チョー爽やかな笑顔☆)」


そしてあの常軌を逸したラスト!!!

『軍艦マーチ』が流れる中を
超カッコイいゴツイ戦艦が艦砲射撃をしまくる映像を延々と流す・・・


なんでせう?
このウツボツと湧き上がってくる感情は??

かっ、海軍に入りたくなってくるでありますっ!!!


・・・ああ、洗脳された・・・

軍艦マーチでノリノリになった時点でアウト。

こういう軽やかなマーチに乗せられて、
戦争に負けたのかと思うと、罪深い曲ではあるが、
やっぱり良い曲だ。

以前、横須賀基地の軍楽隊コンサート聴きに言ったとき、
ラストの締めで『軍艦マーチ』を一番大きな音で演奏し、
会場全体が手拍子に包まれるというアブナい空間が広がっていましたが、
そのとき感じたフワフワした心地は、
感覚を麻痺させます。

この映画はちょうどそんなです。


でも、
それは決して今作がプロパガンダであるからではない。
面白い映画であるからだ。
訓練や郷里のシーンをのぞく戦闘シーンは今でも充分鑑賞に堪える。
『駅馬車』も鑑賞に堪える。
そして、この2本に共通して言えるのは、
とても面白いという事である。


戦争活劇を片っ端からプロパガンダにするのは簡単だが、
それがプロパガンダである事を理由に不等に評価される事
 ―今作の場合では、「特撮はいいけど、‘プロパガンダだから”残念」的なこと―
は、70年前のプロパガンダ見るよりもず~~っと危険だと思う。


というわけで、
なんだか好意的な文になりましたが、
戦闘シーン以外はなに言っんのか分からないという、
古い邦画特有の変な節回し&怒鳴り台詞で、
ストーリーは最後までわからず、
主人公(らしき青年)の名前も全然分からなかったので、
話を追うのはかなり困難です。

まあ、話らしい話もないんですけど。


最後に、
アメリカのプロパガンダは
普通の古い戦争活劇として500円DVDになっているのに、
日本のプロパガンダは腫れ物触るみたいにされなくちゃ
いけないんですかね?

右翼みたいなことを言うつもりはありませんが、
戦争に負けるって言うのは、
つくづく業が深いですね・・・

詳細評価

物語
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音楽

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