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近松物語 (1954)

監督
溝口健二
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4.23 / 評価:141件

監督の人間性が表現されています

  • たーちゃん さん
  • 2021年5月24日 16時35分
  • 閲覧数 75
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

日本の名監督といえば黒澤、小津、成瀬、溝口と必ず名前の上がる溝口健二監督の作品です。
1683年に実際に起きたおさん茂兵衛の事件を元に近松門左衛門が人形浄瑠璃としていた「大経師昔暦」元に川口松太郎が書いた「おさん茂兵衛」と井原西鶴の「好色五人女」を映画化したものだそうです。
時代背景はもちろんですが、今では不倫で済まされてしまうものでも、江戸時代では不義密通といって死罪になってしまうという事や大経師暦を作成する事がどんなに名誉職であったのかなどが分かった上で鑑賞すると、この二人の関係が周囲からどんな大変な大罪であったのかという事も理解できるというものです。

ですがこの二人の周辺は何でこんなに意地の悪い人ばかりなのでしょう。
茂兵衛(長谷川一夫)に思いを寄せていたお玉(南田洋子)は味方であったとしても、それ以外の人物は自分の欲や立場があろうかとも思いますが、もう少し優しく見てあげれば良いのにと思ってしまいます。

何でも溝口監督という方はとてもワンマンな監督で、俳優に対するダメ出しにしても、スタッフに対しての要求にしても度の過ぎたものであったと色々な文章で伝え聞いております。
このどの登場人物もが、監督の分身だったのではないでしょうか。
自分の思い通りにしなければ気が済まないキャラだとすれば、そのどの人物の無法ぶりも納得のいく方々です。
奥さんは結果精神病にかかって、そのまま病死。
自分の立場よりも上の立場の人物には媚びて、映画会社の幹部にまでなったともいいます。
人間的には嫌なタイプの人物だったらしいです。
ですが映画監督としては、その映画が良ければ評価されるんですよね。

心中をしようと琵琶湖に船を浮かべていき、おさん(香川京子)の足をしばって、これから死のうという時に茂兵衛がおさんへの思いを告白した途端、おさんがいきなり茂兵衛への思いが起こって「生きたい」となり、心中を断念するシーンがあります。
それまで何とも思っていなかったのでしょうか。「好き」と言われて「好き」になったのでしょうか。
何か心理的な動揺や揺れがとても極端に見えてしまう箇所が多々ありました。
映画の構成としては分かりやすく作ってあるので、見やすいのですが微妙な心理描写は希薄に見えてしまいました。

この時代の俳優の顔が「いかにも悪役」「いかにもヒロイン」「いかにも意地悪」と演技力はもちろんなのですが、いい顔をしています。

ラストの捕らえられたおさんと茂兵衛が市中引き回しをされるシーン。後ろ手に縛られた二人の手がしっかりと結ばれていて、いいシーンです。
香川京子さん綺麗です。
長谷川一夫さんもいい男です。
名作だと思います。

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