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大菩薩峠 完結篇

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4.0

彷徨う雷蔵と祟り

完結編でもやはり玉緒が出てくると引き締まる。「人を殺して生きている」雷蔵は、これまでに二度玉緒を殺しているが、今回は玉緒は生き残った。台風に襲われて流される雷蔵をそれでも追いかけようとする玉緒は、雷蔵の「虚無」に祟られているとしかいいようがない。自然災害によって、追いかけることができなかったからこそ、生き残れた。よかった、よかった。 近寄る女性に祟って、最終的に殺してしまう雷蔵は、逆に、仇とつきまとう男との対決を延期し続ける。結局、最後まで対決はなかったし。しかし、男は仇撃ちの無意味さを悟って、解脱してしまうかのようなのに、流される雷蔵は息子の名を呼びつつ、苦悶の表情を浮かべたまま。無意味に人を殺す殺人マシーンなのに、なぜか雷蔵に肩入れしたくなるエンディングでした。

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