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さすらいの二人

さすらいの二人

IL REPORTER/PROFESSIONE: REPORTER

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kak********

4.0

ある男の人生を引き継ぎ得られた一瞬の幸福

愛の不毛三部作と言われる「情事」、「夜」そして「太陽はひとりぼっち」を手掛けたミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。主演は、「カッコーの巣の上で」のジャック・ニコルソン。相手役には、「ラストタンゴ・イン・パリ」でマーロン・ブランドと共演したマリア・シュナイダー。 物語は、仕事や人生に疲れた中年の男性が、ある男と知り合ったことがきっかけで若い娘と出逢う。それは偶然なのか必然なのか?危険な香りが漂う中、男は若い娘と一緒にいることで、今までとは違った自分を見い出して行く。現実逃避の中で知り合った若い娘が、幻のようにも見える美しい描写に心が奪われる。 この映画は、ロードムービーのように移動しながら物語が展開して行くのだが、美しい光景を見ているだけでも満足感が生まれるほど、幻想的で夢を見ているような気持ちになる。そこに完全に溶け込んでしまっているのがヒロイン役のマリア・シュナイダーで、彼女の美しさは言葉では言い尽くせない。 しかし、本作品は難解である。台詞が少ない分映像が語りかけてきているので、見逃すと物語に付いていけない事になる。何度も出てくる”ディジー”とは何者なのか?そして”若い娘”は、なぜ行動をともにするのか?その答えは最後のシーンで静かに明かされるのだが、「知っている人か?」の問に答える二人の女性の返事が全てを物語っている。

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