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ふたり (1991)

監督
大林宣彦
  • みたいムービー 60
  • みたログ 581

4.20 / 評価:199件

おぼろに浮かぶ影は ひとの想い♪

  • bakeneko さん
  • 2020年9月17日 8時03分
  • 閲覧数 322
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

赤川次郎が1989年に発表した同名ファンタジー青春小説を、大林宣彦監督がNHKのテレビドラマとして制作したものを、再編集&撮り加えて映画化したもので、後にTVドラマ、舞台と様々な形で上演され続けている名作となる“新尾道三部作の第一作”であります。

高2で優等生の北尾千津子(中嶋朋子)と中二の引っ込み思案の実加(石田ひかり)の姉妹は仲の良い姉妹だったが、千津子が事故死してしまい、実加は父母と共にぽっかり穴の開いた生活を送っていた。ある日痴漢に襲われた実加の窮地に千津子の幽霊が現れたのを機に、実加にだけ視える千津子の幽霊は様々な面で妹を後押しして姉妹は不思議な共同生活を育んでゆくが、実加が千津子が亡くなった高2に追いついてくる年頃になると、次第に絆が薄れていって…というファンタジーで、
生きているものと死者の不思議で優しい邂逅を活写してー「雨月物語」、「永遠の僕たち」、「ドリーム・ハウス」、「ちーちゃんは悠久の向こう」、「母と暮せば」、「若おかみは小学生!」…と言った作品に連なる―誰しもが持つ“亡くなったものとの再会の想い”が実現する切なさに感じ入らせてくれます。
石田ひかり(18歳)が女優として飛躍した作品でもあり、少女から大人に成長してゆくヒロインと彼女の自身の青春輝きが見事にシンクロして映画の中に記録されています。
そして、当時NHKが開発していたハイビジョンを始めとした映像処理も効果的に採り入れられていますし、ベートーベンの第9交響曲から歓喜の歌♪、シューマンの「ノヴェレッテ第1番」♪といったクラシック名曲と比べても遜色の無い本映画の主題歌「草の想い」♪の叙情性は観た者の記憶に永遠の余韻を残してゆきます(エンドタイトルで歌っているのは、大林監督&久石譲のおじさんデュオです)。

そして原作では、姉の千津子の声のみが聞こえる設定だったのを、映画化に際して姿が視える設定に改変したことが、映画ならではの鮮烈な映像表現を生み出していて、別れの鏡のシーンは、ジャン・コクトーの「オルフェ」を大林流に引用した名場面となっています。

失ったいとおしいものへの愛慕と成長してゆく少女の飛翔を情感豊かに映し出してゆく大林宣彦の傑作で、鑑賞後に主題歌「草の想い」♪が頭から離れなくなりますよ…

ねたばれ?
1、“姉の千津子の幽霊は存在せず、実加の願望の投影では?”という解釈もありますが、
劇中に“出現しているのに実加が気づかない”という千津子の視点が描かれていますから、千津子の霊は実在しています。
(まあ、近しい肉親や愛する人を失った際に、“彼らが今ここに居たらこう言うだろうなあ…”と考えることは誰しもありますし、その人物の癖や思考を詳細に思い出せる&会話できるのならば、(思い浮かべる本人にとって)その人は“生きている”のと同じではないでしょうか)。
2、よく考えたら「スター・ウォーズ」のルークとオビワンもこの関係だな!
(脱線)
2019年10月に原作者の赤川次郎によって11年後の実加を描いた「いもうと」が上梓されましたが、大林監督亡き今となっては誰か映画化できる人は居るのかなあ…

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