強烈な主題歌が頭の中で廻る…
- bakeneko さん
- 2016年12月28日 10時15分
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高度経済成長期真っ只中の1970年にジョージ秋山が少年サンデーに連載した問題作の映画化作品で、原作の完結前に完成したので結末などが異なっていますし、あまりの問題性にソフト化は一度もされていないという怪作であります。
守銭奴の主人公のなりふり構わない出世?物語を通して、戦後高度経済成長を遂げた日本の闇の部分を活写した作品で、人権や公害問題などの人間性を棚上げにして奇跡の復興を遂げた日本を痛罵しています。殺人と虐待がメインの陰惨なお話ですが、主人公の言動のあまりの過激さが戦後日本の拝金主義を赤裸々に暴露していることが突き抜けたカタルシスを生じさせています。
主演の唐十郎(少年時代は雷門ケン坊)の怪演はもちろん、気前の良い脱ぎっぷりの緑魔子、いつになく出番の多い信欣三、馬鹿親父:加藤武の他、岸田森、横山りえ、左とん平、藤木悠、稲野和子らが力演していて、劇中に原作漫画のサブタイトルテロップが挿入されるなどの前衛的演出も時代を反映しています。
話題になった日本TVで2009年から放映されていたバージョンは時代を平成に移してかなり内容を穏やかにしていたので、映画版を観るとその強烈さと灰汁の強さは後を引きますよ!(特に主題歌:“銭ゲバ大行進”の中毒性は凄い!)
ねたばれ?
1、 静岡県に三年住んでいたことがあるけれど、“○○ズラ”って言い回しは聞いたことが無いなあ~と思って調べたら、最近は“○○ダラ”と言うそうです―これならしょっちゅう聞いていました!
2、 Wikiなどのデータベースに、刑事の妻役で桜井浩子がキャストに書かれていますが出演していません。
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