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雷撃隊出動

ali********

4.0

1944.9撮影の意味 + 戦艦ビスマルクの映画

日本海軍の残り少ない空母を使って撮影したという、歴史的価値がある。戦意高揚というよりも、当時の状況のなかで映画人が何を考えたか、想像してみたい。 もちろん1944年9月と言えば、マリアナ沖で大量の航空機が落とされ最新巨大空母「大鵬」がひどい沈み方をしたあと、レイテ沖で残りの主要空母が消える直前だ。政府はマリアナで米軍に打撃を与えたと宣伝をしたが、軍に近い人々やインテリには、戦争は負けるという予感が高まっていただろう。 (名作映画『軍閥』に、真実を報道した新聞記者への、軍の制裁が描かれています。ある文学者が、警察に見つかって困らないように、フランス語で日記をつけていたのも、有名な話。) この映画の作成スタッフは、想像するに、  ・軍から珍しく予算付きで?、戦意高揚映画の制作を依頼・命令された。  ・日本海軍を記録する最後の機会かもしれないと、ひそかに思って、最高の映画を作ろうとした。  ・現場を取材する過程で、真実をゆがめないように作ろうとした(そうせざるを得なかった)。 という状況だったのではないか。 同じ「文化」に携わる者として、心して鑑賞したいものです。  【おまけ】 YOU TUBEでかなり見れる、イギリス映画『戦艦ビスマルクを撃沈せよ』(1960年)もお勧め。「SINK THE BISMARCK」で検索。日本語字幕はないが、英語なのである程度分かる。画像もわずかに不鮮明だが、白黒なので違和感を感じない。 これも、(戦勝国なのでたくさん残った?!)軍艦や飛行機を使って撮影しています。巨大戦艦ビスマルクへと、雷撃機による攻撃は、模型でしょうが、当時の東宝特撮映画と同じくらい良くできている。冒頭に、ビスマルクの進水式にヒトラーが立ち会う記録ニュース付き(ここはドイツ語)。戦後まだ15年なので、「イギリスは大きな犠牲を出したが、ナチスドイツに勝利したのだ」という実感がこもっている、すぐれた作品です。 お勧めします。・・・以上の情報は、字幕を見たいと思って安値DVDを買う人もいるでしょうから、英国の著作権者(の子孫)に損はさせないでしょう。 ちなみに、日本語のタイトルは「ビスマルク号を撃沈せよ」と、イギリス側の視点だが、ドイツ公開版はさすがに、Die letzte Fahrt der Bismarck(ビスマルク号の最後の航海)となっている。これを、YOU TUBEに入れて検索すると、イギリス人もドイツ人もドイツ語でしゃべる映画が見れて、一興です。とくにドイツ人艦長の、少し高慢な話し方がよくわかる。 さらに、そこに付されたドイツ人視聴者のコメントも、  「今でもビスマルクは、世界一強いはずだ。」から、  「あらゆる砲撃命令は、人類に対する犯罪である。」まで、 なかなかのものです。

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