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ザ・スパイダースのバリ島珍道中

ガーディニア

4.0

芸能山城組より早かった

昭和元禄の1968年産GSコメディ映画。出演は当時人気のグループサウンズのスパイダース。 演奏だけではなく、高度なスラップスティックギャグも難なくこなす芸達者な彼ら、特に若かりし頃のマチャアキの巧みな演技を堪能出来ます。 ただそのストーリーや演出は今見るとさすがに古く幼稚で、正直失笑ものの内容。いかにも大量生産低予算なやっつけ感は否めないが、本作の特筆するべきはバリ島ロケにある。 香港へ演奏旅行に行ったスパイダースがトラブルに巻き込まれ逃亡した先は何故かバリ島。理由は無い。たまたまバリ島に着いたのだ。 そのバリ島でのロケでは、時折まぶされるバリ島のケチャやガムランゴングによるミニマル・ミュージック。その50年以上前の演奏記録がカラーで良い音で残されているからたまらない。 また、スパイダースの面々もケチャやガムラン演奏に参加していて、その様は往年のかくし芸大会的ではあるが、まさに60年代の早すぎたワールドミュージック。芸能山城組や細野晴臣よりも早かった。これだけでも見る価値は大いにある。 トロピカルにどっぷり浸かり褐色の肌で歌う「真珠の涙」も良き。今は亡きムッシュの作曲、筒美京平アレンジのガレージ歌謡曲を黙って聴くバリ島の住民たち。なかなかシュールだ。

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