怨霊佐倉大騒動
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(1件)

悲しい25.0%不気味25.0%泣ける25.0%絶望的25.0%

  • ぴーちゃん

    4.0

    怪談か義民伝か…義民伝と見れば佳作

     どう評価していいか、難しい映画である。というのは、この作品はタイトルからもわかるとおり一応は“怪談”に分類される作品である。ところが“怪談”としてみると怪談の要素が少なすぎるのだ。かといって歌舞伎とかで有名な佐倉義民伝としてみると、終盤のホラー演出がいかにも邪魔なのである。  個人的には、若い頃から成田にある「宗吾霊堂」によく行っていたオイラはこの映画を重税に苦しむ農民を救った佐倉惣五郎の物語として観ていた。年貢の取り立てが年々厳しくなりこのままでは百姓の暮らしが成り立たない。名主の惣五郎は藩やに嘆願書を何度も出すが取り合ってもらえない。万策尽き果てた惣五郎は時の将軍家綱に直訴する。直訴は御法度中の御法度。直訴は取り上げてもらえたが、本人は死罪、そして妻、幼い男子も磔になったという悲しい顛末。  直訴を決意した惣五郎が妻子に会いに帰ってくる場面、歌舞伎では「子別れ」って呼ばれてるらしいが、ここが泣かせるんだよな~。土砂降りの雨の夜、闇に紛れて惣五郎は帰ってきます。、妻子に塁が及ぶことを懸念した惣五郎は、妻きん(花井蘭子)に離縁状を渡す。「これさえあれば赤の他人…、」「なぜ私に世のため人のために死ねとおっしゃってくれないんですか」「そこまで想ってくれるか」「私はあなたのおいでになるところならどこへでもお供いたします!」そして起きてきた子供たちを抱きしめる惣五郎。一緒に寝てくれとせがむ子供たちに、お父さんはきっとまた帰ってくるからと別れていく惣五郎。今生の別れになることはわかっているから切ないものがあります。  もうひとつの名場面は、「甚平渡し」と呼ばれる渡し場の場面なんだよね。これは惣五郎に以前助けてもらい恩義を感じている渡し番、甚平さんが自分はどうなってもいい、なんとか惣五郎の役に立ちたいと、暮六つ過ぎたら船を出せないようにと船に巻かれた鎖を断ち切って船を出し、妻子に会いにいく惣五郎の手助けをします。もちろん佐倉藩の息のかかった役人に見つかれば、甚平も大変な罪に問われますがこの甚平さんの心意気がまた泣かせます。一旦は惣五郎は「甚平、船を出してはならんぞ。出せばお前の身にどんな災難がふりかかるか…」その言葉が終わらぬうちに甚平は船の鎖を断ち切ります。「さ、早くお乗りなせい!」「直訴することはわかってます。何万人の命を救うためならおらのいのちなんてなんでもねえだ!早く乗ってくだせえ、旦那様」この甚平さん役の役者がまたいいんですよね。横山雲平さんっていいます。  直訴されたことに怒り狂った佐倉藩の城代家老、堀田玄蕃(阿部九州男)は惣五郎夫婦はもちろん子供たちすら磔の刑に処してしまいます。刑場の周りには惣五郎を慕う数千の農民が見守ります。この磔を映像化しているのは話の展開上、当然なのかもしれませんが当時としてはすごいと思いました。だって槍で突かれて絶命するところまでしっかり描写しますから。悲嘆に暮れる農民たち。惣五郎が絶命すると晴天だった空は一点俄かにかき曇り激しい豪雨と風が刑場を覆います。  ここから怪談なのでホラー演出に入っていくわけですが、佐倉藩に現れる怨霊となった惣五郎一家…磔になった惣五郎と妻きんが宙を舞います。なんかもったいないんですよね~。全然怖くないし…これがなければ結構な佳作だと思います。でもこの作品、新東宝としてはそれなりのヒットを記録して、以後の怪談路線が定着したみたいです。でも結構好きな作品となりました。保存版です!久しぶりに宗吾霊堂に行ってみたくなりました。だって映画の冒頭、いきなり「奉納」の文字が出てきます。こういう映画ってちょっとないでしょう?    

スタッフ・キャスト

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嵐寛寿郎佐倉宗五郎
花井蘭子きん(宗五郎の妻)
中山昭二堀田上野介正信
阿部九州男堀田玄蕃
中村彰池浦主計
鮎川浩金沢丈右衛門
岡譲司教全和尚
広瀬恒美稲葉十郎衛門
大沢幸浩長男・宗平
上田明男次男・源之助
松本直明三男・喜八
小野田高久四男・六之助
沢井三郎岡村要蔵
三浦恭二和田兵衛門
加藤章名倉甚太
山室耕伝蔵
高田稔小島式部
若柳敏三郎山崎庄内
横山運平甚兵衛
岬洋一忠蔵
国創典重右衛門
花岡菊子女房・よし

基本情報


タイトル
怨霊佐倉大騒動

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
-

ジャンル