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屋根裏の散歩者

sur********

2.0

世界観、映像美は必見。しかし、物足りない

妖しげな世界観や、淫靡なヘンタイ嗜好を、光と陰、色彩で見事に表現しており美しい。 さすがは実相寺監督といったところか。 しかし一方で、“物語”の部分が上手く表現出来ていない。 犯人の郷田(三上博史)が、“犯罪”へと魅せられていく過程であったり、被害者殺害に至る心理描写であったり、犯人の人物像に対する肉付けが薄い。 なので、唐突に殺人が始まるから物語に引き込まれない。 また、屋根裏から覗き見る他人の生活が、極端に“異常・異質・性的”なものに特化されているのも不自然である。 いわゆる“エログロナンセンス”に特化したのだろうが、途中、単なる成人映画にしか見えない、安直なシーンが多くて退屈した。 どうせなら、普段は“良識人”たちの、異常な“二面性”をもっと表現したり、明智(嶋田久作)の人物像も掘り下げたりと、全般的にそれぞれのキャラ設定をもう少し立たせた方が良かったと思う、冗長なシーンの代わりに。 他の監督の『屋根裏』は未視聴のため比較は出来ないが、それでも完成度はこの実相寺版は高い方であろうと思う。 映像に関しては、素晴らしい作品である。

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