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怪異談 生きてゐる小平次

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4.0

美しく象徴的な怪談の世界。

先日見た『東海道四谷怪談』と同じ中川信夫監督の作品です。 東海道四谷怪談』では、歌舞伎を基にして、怪談の世界を色彩豊かにきっちりと映像化していたのですが、こちらは同じように舞台を元にしながらも、まったく反対の方向に映像化しているように思いました。 『四谷怪談』がリアリズム怪談だったのに対して、こちらはシンボリズム怪談とでも言うべきでしょうか。 セリフ回しも描かれている世界も、なんら手を加えることのない自然の撮影にもかかわらず、象徴的で幽玄な世界を作り出しています。 独特の間合いやテンポは怖いというよりも不思議な世界に入り込んでしまったような錯覚を与えてくれます。 あのころのATGのにおいがぷんぷんとするような画面で、好き嫌いのありそうな作品ではあろうかと思います。 自分の女房に横恋慕した小平次を殺してしまった太九郎。 自分が殺した小平次の影におびえて、だんだんと狂気の世界に陥っていくのは、日本の怪談の常套手段。 それなのに見ていて心地よくなってきます。 出演者を小平次、太九郎、おちかに絞り込んでのドラマ作りは、低予算(たぶん…だってATGだし…)でありながら、独特の世界を描き出すのに成功しています。 怪談は、非日常の世界へのトリップでもあるということを感じさせてくれます。

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