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さらば箱舟 (1982)

監督
寺山修司
  • みたいムービー 20
  • みたログ 190

3.39 / 評価:54件

味付けが濃すぎる作品

  • bar******** さん
  • 2018年1月4日 11時41分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

さらば箱舟。『書を捨てよ街へ出よう』、『田園に死す』は大好きだったのに、こっちはぜんぜんピンと来なかったのは何故だろう。彼の因習的な風景描写は非常に説得力があって、独特の魅力がある。しかしこの『さらば箱舟』は、臭みがすごくって好きになれなかった。上二作は絶妙なおかしみや軽快さがあった。しかしこの作品にはそれがあまり見られない。

彼の詩情が、重たいストーリーに潰されて呼吸できなくなっているように見える。やっぱり一本ハッキリと筋の通った物語があるのが原因か。もっと縦横無尽に彼の詩情が炸裂する映画が良かったな、と思う。ディテールの使い方も、今回は非常に固くって、やっぱりこれはストーリーのせいだと思う。

今村監督の『楢山節考』でもそうだったけど、極度に因習的、かつ陰湿な集落世界は、どストレートに表現されると臭みが強すぎてとても見ていられなくなる。抒情的なシーンを挿入したり、寺山監督の上二作のようにシュルレアリスムチックなおかしさや軽快さとブレンドさせるとか、あるいはもし絵画の心得があるならば、美しい絵画チックなシーンを何枚も用意するとか、そういう配慮が欲しいところ。暗くて陰湿で無秩序で、ドロドロジクジクとした感じは、とある見方なら味があるものの、その臭みを消す配慮が何か必要である。今回は寺山監督の詩情が重たいストーリーに消されているので、臭みがきつく残ってしまっている。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ファンタジー
  • 不気味
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