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さらば箱舟 (1982)

監督
寺山修司
  • みたいムービー 20
  • みたログ 190

3.39 / 評価:54件

「100年の孤独」とは全く別物の作品

  • mas******** さん
  • 2009年6月15日 15時34分
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

寺山修司がコロンビアの作家ガルシア・マルケスの「100年の孤独」に触発されて製作した彼の遺作。1967年に書かれた「100年の孤独」は日本の某出版社の各界著名人へのアンケートによって世界文学史上ベスト1の小説に選ばれた名作(怪作!)である。

確かに、物忘れの奇病に感染した山崎努扮する主人公が家の中のあらゆる物にその名前と使用法を書いた紙を貼り付けるエピソードや、遠くの町からやって来た少女が土を食べる癖を持っているなど、随所に「100年の孤独」的なエピソードが描かれているものの、ストーリー的にはこの映画は「100年の孤独」とは全く別物である。

元々「100年の孤独」の内容自体が寺山の描く不思議世界に近い内容を持っていただけに、できれば作者了解のもとに完全映画化に挑戦して欲しかった。作者とどのような問題が生じたのかは知らないが、この映画は内容的にはあまりにも違いすぎて映画化とは到底言えず、個々のエピソードのみをつまみ食いした感が否めない。

この映画の映像も「田園に死す」同様、寺山らしい独特の不思議な世界をうまく表現しており、ストーリー的にも不思議ではあるものの、破綻しているわけではないので面白く見ることが出来た。

山崎努と小川真由美の夫婦が、いとこ同士で結婚したために、子供を産めないようにと妻に取り付けられた蟹の甲羅のような奇怪な貞操帯を外そうと苦心惨憺するのだが、夜の夫婦生活を送ることができない二人が精神的に不安定になっていく過程がかわいそうながら面白かった。

ただこの映画を撮影後、編集段階での寺山は闘病生活中で満足に編集に携われる状況でなかったようで、完全に寺山の意図した作品が出来上がったという訳ではなく、その点が惜しまれる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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