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あした

あした

142

bakeneko

5.0

ネタバレあした浜辺を さまよえば♪

赤川次郎の「午前0時の忘れもの」を、大林宣彦監督が舞台を尾道に移して映像化したもので、前作「ふたり」と同様、死者と生者が不思議な邂逅をする“新尾道三部作”の2作目であります(原作と違うタイトルは原作者の赤川次郎自身の提案だそうです)。 瀬戸内の連絡船:呼子丸が尾道沖で沈没して船長と乗客9名全員が遭難する事故が起こる。それから三ヶ月後、「今夜午前0時、呼子浜で待っている」というメッセージが死者しか知りえない形で縁の人に届く。半信半疑の縁者たちが呼子浜の待合所に続々と集まってくる中に、メッセージと全く無縁の女学生2人も巻き込まれて、いよいよ午前零時を迎える…というお話で、船が海中から出現して乗客が降りて来てからは、大林宣彦のライフテーマでもある“異世界に逝ってしまった人との交流”が様々なエピソードで語られてゆきます。 原作の“交通事故でバスが湖に転落”した設定が海難事故に変更されていて、待ち合わせ場所もバス停流所から浜辺の船着き場になっていますが、登場キャラクターやエピソードはほとんど原作を踏襲していて、生者と全く変わらない感情を保持している死者と残された者の想いの交感とやがて来る夜明けの永遠の別れに感じ入らせてくれます。 死者と生者の束の間の邂逅を描いてー「姿なき一〇八部隊」、「回転木馬」、「黄泉がえり」、「ツナグ」…などの作品と同様、肉親or恋人の愛情と惜別の想いで胸を締め付けてくる作劇となっていますし、様々な登場キャラクターの想いを統括する“わたし”=原田知世の存在感と歌声がこの奇譚をファンタジーのより高次元へと引き上げています。 “瀬戸内海は波も穏やかだし、遠浅であまり深くないんだけどな~”という野暮なツッコミは置いといて、死者と生者の束の間の邂逅のドラマに感じ入りましょう… ねたばれ? 1、設定をバスから船に変更したことで、どうしても幽霊船のイメージが…(「ザ・フォッグ」や「パイレーツオブカリビアン」を連想した人手を挙げて!) 2、ええっ“入れ替わっていいの?!”

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