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CURE キュア

kaz********

4.0

ミイラ取りがミイラになったという皮肉かな

心理判定士・佐久間のように『殺人の動機は誰にも分らん』と言ってしまえば、これほど恐ろしいことはないのではないか。「セブン」のように七つの大罪が動機になっている映画は分かりやすい。が、この作品は動機が不明、犯人が記憶障害、おまけに自から手は下していないとなるとれほど厄介なことはない。 首から胸にかけてX状に切り裂かれる連続猟奇殺人が発生する。記憶障害の青年を泊めた学校教師が妻を突然殺し、その青年を保護した交番の巡査が同僚を銃殺する事件が起こる。さらに、病院に収容された青年を診察した女医が男性の顔を剥ぐ事件が起きた。捜査にあたった刑事の高部は、犯人たちに殺人の動機を聴くが判然としない。それぞれの殺人に関係は認められないのだ。高部は心理判定士の佐久間に「催眠暗示で殺人ができるか」尋ねるが、「倫理観まで変えられない」という返事。3つの事件現場に居合わせた青年が間宮とわかり、間宮のアパートを調べると医大で催眠療法を研究していたことがわかる。参考人として間宮を聴取する高部だったが、質問をはぐらかし一向に要領を得ない間宮に感情を露わにする。日本で一番古い催眠療法に関するビデオを見せられた高部は、それが宗教儀式として行われていたことを知る。その佐久間が殺される事件が起き・・・・・・・。 たくさんの指摘があるように確かにわかりにくいストーリーだが、私は結構楽しめた。記憶障害なのになぜ殺人を犯すのか。ただ本人の自覚はなしに接触した者が殺人に走る。タバコの火やライターの火が催眠の契機になるというのも分からない。 精神障害に悩む高部の妻が首を吊っている幻覚を見た時分から高部もおかしかったことがわかる。 ラスト、高部の食べ終わった食器を片付けるウェイトレスが、高部の吸うタバコの火を見て包丁を掴むシーンはぞっとする。

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