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隠し砦の三悪人

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4.0

タイトルの妙

隠し砦にどんな悪人がいるのか? 興味を惹きつけられるタイトルだ。 二人の百姓の、背後から追いかけるカットから 物語が始まる。 ちょっと不自然で、何か意図があるのかと考え始めた そのとき、画面右側から落武者が登場。 少し驚かされる、なんとも心憎い演出だ。 1シーン1カットのようであり、 (実際は途中、別のカットが入るが) 観る者に、突然の訪問者の存在を 印象付けることができる。 横長のシネマスコープの特性を活かした オープニングから、わくわくさせられた。 冒険活劇的な要素を含んだ関所越えは、 山道版ロードムービー。 「虎の尾を踏む男達」を思い出した。 藤田進さんの黒澤作品久々の登場に、 少し顔がほころび、 「虎~」の時と同じような役回りに、 また助けてくれるのかなと 期待を裏切らない安心を感じた。 シネマスコープの壮大さを感じさせる映像と 効果音のような音楽、 三船の余裕ある豪快な笑い声に 上原の力の入った発声。 百姓二人のコミカルさと 秋月家の人々の気品ある風格。 相対するものが、うまく絡み合って、 映像的にも、物語的にも、 すごく楽しませてもらった。 はたして、隠し砦に悪人はいたのか? この問いは、次の作品のタイトル 「悪い奴ほどよく眠る」に つながるようで、なんとも興味深い。

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