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3-4X10月 (1990)

監督
北野武
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3.80 / 評価:300件

すべての邪念から解放された、野球少年

  • yab***** さん
  • 2021年3月19日 20時41分
  • 閲覧数 541
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

すべては、たけし軍団の好きな草野球から始まる。平和な休日のひとときである。
 普通の人々とやくざが、同じ世界で蠢いている。

 『3-4×10月』とは何のことだろう。
 季節感のない月のことか。普通の人とやくざが、ボーダーのない世界へ入場する暗号のことか。柳ユーレイ(小野昌彦) 演じるガソリンスタンドの店員の、止まったように見える時間のことか。ビートたけし演じるやくざの、非情ぶりを表現する記号のことか。それとも、前半の主役ガダルカナルタカと、後半の主役ビートたけしの切替ポイントのことか。

 ただひとつ言えることがある。どんなに派手なドンパチも、所詮は草野球の三角ベースの周辺で起こる、ゴロやフライの類のものに過ぎないということである。
 パチンコの店員は、野球が全然下手でボールがバットにかすりもしない。その彼が、まぐれで三塁線を破った奇跡と、たまたま拳銃を自分のものにする気まぐれの間には、さしたる違いはない。

 世界は、日常性とか、非日常性とかに関係なく同時進行している。そこには狂気の入り込む隙はない。
 ラストで、パチンコの店員は、グランドの簡易トイレから、何事もなかったように三角ベースに走っていく。
 すべての邪念から解放された、野球少年の彼がいた。

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