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女王蜂 (1978)

監督
市川崑
  • みたいムービー 18
  • みたログ 635

3.26 / 評価:244件

人間関係ミステリー

  • bar******** さん
  • 2020年8月26日 11時30分
  • 閲覧数 948
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

女王蜂。

金田一耕助シリーズの一作ですね。この作品は、オーソドックスに現場検証から証拠を拾って、犯人を絞っていくのではなくて、人物関係からアプローチしようとします。つまり「動機」がメインですね。

なので、人物関係を常に整理し続けていくことになります。これは見ている側からしてもなかなかに高度なことなので、ひょっとするとストレスに繋がってしまうかもしれません。

また19年前に起きた事件とも密接に絡み合っていて、その真相の解明もパラレルで進んでいくので、余計にこんがらがるわけです。こういうストーリーって、人物の動機に深みが生じる反面、どうしても内容の範囲が広くなりすぎて、視聴者がうまく焦点にフォーカスできないという欠点が生じてきます。

金田一の思考に視聴者が付いて行けないわけですね。

人物が多すぎるせいで、ぱっと名前を言われてすぐ顔が思い浮かんでこないのもよくありません。

もし金田一の思考に、視聴者が完全について行けたら、これは名作だったと思いますけど、プロットの複雑さのせいで、それがどう頑張ってもできないので、視聴者はこの殺人事件の成り行きを、観客席からじっと見守っているっていうスタンスになってしまうわけです。

ただそれでも、市川崑監督の、演出の鋭さというか、カメラワークの徹底した美術感覚は、こちらの目を覚ますようなパワーがあります。もちろん現代の邦画だって素晴らしい作品はありますけど、このような素晴らしいカメラワークや演出は、ほぼなくなってしまいました。今やろうと思っても、プロデューサー側は視聴者に刺激が強すぎることを心配して、オーケーは出さないと思います。

もちろん映画業界を取り巻く環境も変わりました。機材も変わっています。そして視聴者の意識もかなり変わりました。しかし、このように力強い表現は、たぶんそのままの形では無理ですが、あるところを抽出して変換し、役立てることはできると思います。そういった意味で、まだまだ市川崑監督の金田一シリーズは名が衰えないのであり、このようにときどき発掘して見てみるのもためになるんだと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 切ない
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