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ニッポン無責任時代

jol********

2.0

もう歴史的価値のみ

 サラリーマン社会を戯画化しているのはわかるが、あまりの登場人物の類型化と、それを演ずる「俳優」(ほとんどクレイジー・キャッツなわけですが)の素人臭さが引っかかって、真面目に見る気がなくなった。  旬のコミックジャズバンドの人気を当て込んだ「アイドル映画」として割り切って観るなら、それはそれでいいのかも知れないが、植木等の無責任男以外のメンバーの芝居はひどいもの。ハナ肇なんて、お笑いコントのレベルの呆れた「演技」だ。「ミュージシャンの余技だから」で逃げていい水準ではない(「本職」である由利徹のスケベ社長は、突き抜けた下らなさで、クレイジーメンバーとはやはり一線を画す存在感だった)。  主な女優陣が、これまた下手かつ美人がいないのに驚く。日本人の容姿のレベルは、もの凄く良くなったんだろうか。当時だって美人女優はいくらもいたのに、コメディーだから出てくれなかったのか。一人だけ無名の美人がいたが、ほかはひとつも魅了がない。  どうしてこんなひとたちが芸能界を志したのだろうか、なんで起用されているんだろうかと、彼女らの棒読みセリフを聞きながら、不思議の念に打たれていたが、ネットで調べて、主要な3人の「女優」たちは、当時売り出し中・売れていた「お姐ちゃんトリオ」とかだったということを知って再び一驚。  昭和の東京の街並みや、風俗を記録した映像として、またこういう映画が受けていた時代もあったのだなという映画史資料としての価値はある。

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