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リング2

cyborg_she_loves

1.0

さらに増大した見当外れ

 前作での製作者の見当外れぶりについては、そっちのレビューの方で書きましたが、本作ではそれに加えて、もうひとつの致命的な見当外れが加わっています。  それは、「ひとは正体のはっきりしないものを怖がる」という人間心理をまったく理解せず、呪いなり、貞子なりの正体を克明に描写している(科学的実験までやってみせている)ことです。  前作がそれでもかなりの人を怖がらせたのは、最後の最後を除いて、貞子が何者で、どういう姿をしていて、どんな力を持っているか、ノイズだらけの不鮮明なビデオ映像以外がまったくわからない状態で話が進んでいたからです。  ところが、続編というものの悲しさよ、もうすでに貞子も志津子も正体を知っている観客に見せる映画を作らなきゃならない。しょうがないから前作よりも超能力の性質をグレードアップさせて、貞子が持っていた念写の能力が次々に人々に伝染していくという設定になってる。本作では、テレビに井戸の映像を映したり、念じただけで他人をひっくり返らせたり、手を握っただけで自分の観念を相手に移したりできる人間が、ウジャウジャ出てくる。  そして、「ダビングして他人に見せたら助かる」という話だったものを、VHSビデオのダビングは誰にでもできることじゃないので、それでは助かる人がほとんどいなくなっちゃう、ってんで、「ダビングしたら」の部分を削除した(ご都合主義丸見え)。  その他、前作では骸骨だったから一定の不気味さを演出していたものを、肉付けして顔を復元したことで、不気味さを増大させたつもりだったのでしょうが、かえって薄ら笑いを浮かべた大マヌケな顔になってたり、まあ何とかしてお客さんを集めよう、お金を払わせよう、という、涙ぐましい努力を払っておられるのがよくわかります。  もうひとつ、見てて気の毒で仕方がなかったのは、中谷美紀さんの恐怖の表情で、こんな顔何度もさせられるのは、つらかっただろうなあ、と思いました。だって、怖がってるように見えないんだもん。ひどい演出です。

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