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ブラック・ジャック (1993~2000)

BLACK JACK

監督
出崎統
  • みたいムービー 6
  • みたログ 44

4.44 / 評価:16件

あなたに会いたい

  • poppies_garden さん
  • 2007年4月18日 11時29分
  • 閲覧数 340
  • 役立ち度 23
    • 総合評価
    • ★★★★★

母の病床で、ブラック・ジャックがいてくれたら、と思った事がある。
病室のドアを開け、あの黒いコートを翻して入ってくる姿、半白の髪、傷だらけの顔を。
何度も、何度も、思い描いた。

手塚さんの名作<ブラック・ジャック>は、今読んでも古さを感じない。
絶妙に配分されたファンタジーがスパイスになり、リアルな描写をいかに本物のように見せてくれることか。
そして時代を超えて紛れもなく本物である、<生>のドラマ。
身内の死に直面した人間には<死>を情緒的に捉えることはできない、それは圧倒的な力で襲い来る現実なのだ。
そこに泣かせるドラマなんてありはしない。ただ冷たく空虚でしかなく、それに比して<生>がいかに暖かく、まぶしく輝くことか。
<ブラック・ジャック>はひるむことなく<死>というものを背負いながら、<生>の境界線を守る。
彼に守られた人々はまた、果敢に闘う力を得るのだ。
だから、私たちも闘える。
決して命をあきらめない貴方がいてくれたら。
一瞬たりとも人生をなげたりしない貴方がいてくれたら。
貴方がいてくれたら。

この出崎監督版<BJ>は知る人ぞ知る名作だ。
原作のテイストに近い手塚眞監督版と異なり、よりドラマティックでスケールアップしている。テーマの表現方法もバリエーション豊かだ
そして程よく現代の医療考証を取り入れながらもファンタジー色はやや強く、変わらない<生>のドラマは明らかな手塚治虫への敬意に満ち感動的だ。
贅肉を極限まで削ぎ落とし精製したような原作とは対照的に、お得意の情感あふれる演出が冴え、観る人を釘付けにする。
好き嫌いの分かれる出崎監督だけれど、この<BJ>に関して言えば手塚色との見事なミックスをなしていると思う。
BJ役の大塚明夫さんも、手塚版とは声のトーンも演技も微妙に変えている。
よりやさしく情熱をあらわにし、大人っぽい。
アニメより実写映画を思わせるその声を聞くと、また思うのだ。
一度でいいから、貴方に会いたい。
貴方に会いたい、と。

きっと誰でもそう思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
  • かっこいい
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