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ザ・デイ・アフター (1983)

THE DAY AFTER

監督
ニコラス・メイヤー
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3.45 / 評価:49件

核軍拡に警告した、監督の良心に学びたい

1980年代は、70年代に平和共存を進めたアメリカ、ソ連(現ロシア)が、核兵器競争を再燃させた。メイヤー監督はとても良心的に、アメリカそして世界に警告しようとこの映画を作った。

作品の進み方は、奇をてらわず、正統派のスタイルだ。まず平和なカンサスシティの町と郊外の日常が描かれ、いろいろな人生が登場し、それと並行して米ソの軍事対立が激化するニュースが流れる。大戦争は、今や戦車も飛行機も登場せず。互いにミサイルを打ち合うだけで始まり、そしてすぐに終わる。CGのない時代だが、いろいろな映像を組み合わせて核攻撃の惨状を長々と見せている。後半は、生き残った人々の苦しみと自己防衛の情景になる。この部分は、まじめな映像でなかなか見るのがつらい。もちろん、最近の三流SF映画『アフター・クライシス』(イギリス。★レビューしています)のような、核戦争後の世界のホラーではない。

80年代の「第2次冷戦」の背景は、たしかソ連のアフガニスタン侵略、ミサイル技術の発達、ヨーロッパでの中距離ミサイルの配備競争だったと記憶している。再び全面核戦争の悪夢が世界を覆った。

西側諸国では核競争に反対する市民運動も盛んだったので、このような反核を訴える映画を作っても政府から不利益を受けることはなかっただろう。それでも、アメリカで「タカ派」のレーガンが、有権者への単純化したアピールで大統領に当選し、ソ連への対抗姿勢を強めるきびしい状況だった。「映画一つで何が変えられるのか。」そういう気持ちになりつつも、監督は芸術家の良心にかけて、これを作ったのだと思う。その真面目さと、熱意、努力に、大いに学びたい。

結果的には、80年代末にソ連の社会主義体制が崩壊して、冷戦は終わった。しかし、それまでの間、米ソが中距離核ミサイル(パーシングとSS20、さらにMIRVという名前だった。いつもニュースで流れていたので覚えている。)を配備はしたが撃ち合うことがなかったのは、さまざまな警告をした市民の活動の成果でもあったのではないか。

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