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サテリコン (1969)

FELLINI-SATYRICON

監督
フェデリコ・フェリーニ
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3.89 / 評価:64件

エンコルピオの旅

  • cucumber さん
  • 2014年4月6日 15時34分
  • 閲覧数 2617
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

正常な精神では見れなかったです。フェリーニ監督が描く古代ローマは、暗く陰鬱な亡者の世界を思わせるディストピア的な世界観でした。

【satyriasis】は医学用語で男性の異常性欲を意味しますが、原題のSatyriconと無視できない関連性がありそうです。
主人公のエンコルピオは名をジトーネという美少年をこよなく愛していますが、親友のアシルトに奪われてしまいます。そこへ傷心のエンコルピオを天災が襲い、住む家をなくしたエンコルピオは流れるままに旅に出ます。
旅の途中、エンコルピオは様々な性の体験をしますが、それらは一貫性のない文脈の中に置かれ彼の自己分裂、自己破壊的な衝動を表現しているかのようです。物語は継ぎはぎ細工のような混沌とした様相を深めますが、それこそまさに主人公の内面かもしれません。

これはドぎつい表現主義の作品のですが、フェリーニ監督の溢れんばかりの異常性は、嫌悪感を通り越して一つの芸術まで高められています。例えば、スクリーンに突如現れる空白や話し手が不明なナレーション、まるでページが抜き取られたかのように切り替わるストーリー。どれもこれも困惑させられますが、それによって不安定にされた観客の精神に作品のテーマがずけずけと入り込んでくる余地を与えてしまっているかのようです。

役者は演じる人物の精神を崩壊することに努力しますが、監督は観客の精神を崩壊することに専念しなければならない。と、巨匠フェリーニ監督が教えてくれました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ファンタジー
  • スペクタクル
  • 不思議
  • 不気味
  • 知的
  • 絶望的
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