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サテリコン

サテリコン

FELLINI-SATYRICON

128

Kainage_Mondo

4.0

美術に圧倒される。

今まさに 武漢発・新型コロナウィルスの pandemic の渦中にある世界。緊急事態宣言 ( 5月6日 以降も延長必至 ) が出て 映画館も休館を余儀なくされ、新作は軒並み封切り延期となっている。そのさなか 止むを得ず自宅で旧作を観ている訳だが、本作はその第3弾。1969年 イタリア映画。フェデリコ・フェリーニ監督 ( 以下敬称略 ) による “ローマ三部作” のひとつだ。 時は古代ローマ。エンコルピオ ( マーティン・ポッター ) と アシルト ( ハイラム・ケラー ) という 2人 の若者を主人公に物語は進行するのだが、エピソードの数珠繋ぎといった印象で、劇的&感動的なストーリー展開を期待していると肩透かしを喰う。流れにまかせて映像を楽しむ作品だろう。 ダニロ・ドナーティ の衣裳が素晴らしい。埋葬のイメージに何と 読経 を重ねて吃驚させた音楽は フェリーニ監督 の盟友 ニーノ・ロータ だが、数々の有名テーマ曲とは無縁の 地味なこしらえで作品を支えた。しか~し ! 何よりも見事だったのは 美術 ( ルイジ・スカッチャノーチェ & ダニロ・ドナーティ ) で、チネチッタ・スタジオ に巨大なセットを作り、VFX や CG がまったく無い時代に大崩落シーンまで現出させた職人技に唸った。 巨大建造物のセットからガレー船もどき、ガジェットの数々に至るまで、監督の思いのままに古代ローマ時代を再現した 美術 に圧倒された映画と言えるだろう。製作から 50年余 を経てなお、新鮮な印象をうけるのは大したものだと思ったが、欲を言えば、さらに頽廃さらに肉欲さらに混沌でもよかったなぁ~ と、 50年前 ではとてもとてもの 無い物ねだり をしてしまうのだった。 【 余談 】 序盤から気になったのは、登場人物の口の動きとイタリア語の台詞が微妙にズレていたこと。撮影現場での録音ではなく、アフレコなのだろうか ? だとしても もう少し合わせて欲しいものだ。

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