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サテリコン (1969)

FELLINI-SATYRICON

監督
フェデリコ・フェリーニ
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3.89 / 評価:64件

幻想的な風景を映像化

ペトロニウスによって書かれたネロ期の堕落した古代羅馬を描いた小説「サテリコン」の映画化。暴君ネロの寵臣ペトロニウスが描いた爛熟、頽廃の羅馬を、現代との酷似状況として捉えた壮大な風刺劇。
基督教的倫理観が確立する以前の古代羅馬を舞台に、人間の欲望を赤裸々に描いた巨匠フェデリコ・フェリーニ監督作品。気分の悪さこそが頽廃であり、堕落であり、羅馬末期である。これらを頽廃と感じるのは、基督教的な道徳が生まれた以後の欧羅巴の視線であり、それはつまり現代の世界の殆どが共有する視線である。宗教的な自律が生まれる以前の世界が頽廃的な世界であったということは、それが人間本来の性質であるということなのかと考えてしまう。しかし、このような頽廃が広がったのは羅馬末期(いわゆるネロ期)に限られたことであり、それ以前はギリシャから続く哲学による自律が働いていた.この作品に描かれているのは極端に頽廃的(欲望が人間を支配する)文化である。だから、それを「気持ち悪い」と感じるのはそこに無意識の自律が働いているということなのだ。確かに映像は美しいが、その映像の美しさにもかかわらずこの世界を美しいとは思えないのは、この映画を見るわれわれの頭の中でそのような仕組みが働いているからなのだ。
フェリーニが羅馬時代に拘る理由には、現代劇では実現できないような幻想的な風景を映像化できるということもあるのかもしれないとも思った。 場面の展開の仕方といい、映像といい、物語に頼らずに構成された映画の醍醐味が味わえる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 絶望的
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