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砂漠の鬼将軍 (1951)

THE DESERT FOX

監督
ヘンリー・ハサウェイ
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  • みたログ 57

3.20 / 評価:30件

いかにドイツ帝国が瀕死状態であったか

  • 一人旅 さん
  • 2015年12月30日 0時37分
  • 閲覧数 229
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

ヘンリー・ハサウェイ監督作。

二次大戦時、“砂漠の狐”の異名をとったドイツ陸軍元帥エルヴィン・ロンメルの生涯を描いた戦争ドラマ。
アフリカの砂漠での大規模な戦闘を描いた作品かと思っていたが、ロンメルが部隊を指揮して敵と激戦を繰り広げる描写は一切ない。多数の砲艦が一斉に砲撃したり、ノルマンディー上陸作戦で無数の上陸艇が海岸に向かって進軍するといった迫力に満ちた描写もあるが、本作は基本的に知将ロンメルの心の葛藤と苦悩をテーマに描いている。ロンメルの人間性は、残虐性といったドイツ軍に対する一般的イメージとはかけ離れている。ロンメルは理知的な人物で、残虐行為と現実性のない無謀な強硬作戦を繰り返すヒトラーに対して反発心を明らかにしている。どうやらロンメルは生涯を通じてナチ党には入党しなかったそうで、そうした点を考えても、陸軍元帥という非常に高い階級に身を置きながらも、ヒトラーから一定の距離を保っていたように思えるのだ。
ロンメルの辿った悲しい末路を見ると、当時のドイツ帝国がいかに瀕死状態であったのか明白に分かる。戦場での活躍で数々の武勲に輝いたロンメルを排除しようとするヒトラーは正常な判断力を失っている。そうするしかないほど、ヒトラーとドイツ帝国は対外的にも対内的にも追い詰められていたのだ。ブライアン・シンガー監督の『ワルキューレ』でも描かれたヒトラー暗殺未遂事件の結果、事件に関与したと疑われた人間が5,000人も処刑されたという事実に驚かされる。戦争末期のヒトラーの行動は完全に常軌を逸している。論理ではなくその場の感情だけで全ての物事を判断していたように思えて仕方がないのだ。
何より悲しいのが、ドイツ国民の英雄として絶大な名声を得ていたロンメルでさえも、結局はヒトラーが仕掛けた戦争ごっこの一つの駒に過ぎなかったということだ。英雄から一転、虫けらのような存在にされたロンメルは、欧州を恐怖に陥れたドイツ帝国の人間といえど非常に気の毒に思えてしまう。ある意味ではロンメルも立派な戦争被害者なのだ。

詳細評価

物語
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イメージワード

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