ここから本文です

ブラック・ジャック (1996)

監督
出崎統
  • みたいムービー 7
  • みたログ 146

3.52 / 評価:50件

浮かび上がる悪のヒロイン、ジョーの物語

  • dio******** さん
  • 2017年8月10日 18時10分
  • 閲覧数 1442
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作品では「時には銃を使用して戦う医師達の組織MSJ」の存在がちょっと漫画的な設定に思われ(海外のユーザレビューにもそんな評がありました。せめて「時には傭兵を雇う医師達の組織」ということにできなかったものでしょうか)、そこが(大人向けアニメと考えるなら)マイナス点だと思いますが、それ以外の点は見事です。
特に本作品を観ているうちに、表立って描かれていない悪のヒロイン、ジョーの物語が次第に浮かび上がって来るところが素晴らしいですね。

ジョー・キャロル・ブレーンは人工的に天才を作ろうとしたプロジェクトで
優れた精子と卵子を掛け合わせて人工授精で生まれた女性でした。
(本来、名前は無く番号で呼ばれており、その番号を現在の電話番号として使っているのも泣かせますね。哀しい生い立ちとは言え、それは彼女のアイデンティティでもあるのです)
生まれてからも、同じように人工授精で生まれたライバル達と「負ければ死」という厳しい競争を勝ち抜いて現在の地位(ブレーン製薬セント・ジョエル研究センター研究主任、センターの実質的なボス)を手に入れました。
偶然ではとても生じない優れた遺伝子の持ち主のため、天才的な頭脳とスーパーモデル並みの容姿を持っています。
けれどもどんなに優秀な素質を持っていても実世界では優れた業績を上げていかなければなりません。
ジョーは苦労の末に新薬エンドルフ・アーを開発します。
最初、エンドルフ・アーは超人的な能力を持つ人間を誕生させるのですが、それらの超人類達が次々と命を落としてしまうという副作用が明らかになります。
必死で原因を究明しようとするジョーは人体実験にまで手を染めますが、ついに自分では解決できないと悟り、ブラック・ジャックに助けを求めるのでした。
ブラック・ジャックはジョーが生まれて初めて出会った本物の天才、つまり人工的な天才である自分自身よりも優れた存在でした。
エンドルフ・アーによる奇病モイラの原因究明の過程においてブラック・ジャックはジョーが越えられなかった壁を次々に越えていくのです。
女性の場合、恋は賞賛と尊敬から始まるとも言われます。
恋をしたこともないように思えるジョーのこと、最初は自分でも気づかないようですが、その短い生涯でたった一度の恋であったのでしょう。
暗殺者からの逃避行の中、モイラに倒れたジョーを、自身も無理心中のようにモイラに感染させられながら
「どうあろうとおまえは今は私の患者だ!!」
と言って背負うブラック・ジャックですが(ここはしびれるほどカッコいいです)、その背中でジョーはきっと幸福であったのだと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ