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サムソンとデリラ

サムソンとデリラ

SAMSON AND DELILAH

128

fg9********

3.0

結末のデリラの笑顔がちょっぴり爽やかだ

 …今から70年弱も前の1949年の作品で、レビュー数も未だ5件のみだ。  よっぽど人目に付かない作品なのだろう。  …あらすじは、解説のとおり。  オーストラリアの砂漠の小さな村で暮らす先住民アボリジニの10代半ばの男女(サムソンとデリラ)が主人公だ。  サムソンは、音楽好きのアンチャン連中の家に間借りしているのだろうが、日がな一日ゴロゴロしていて、シンナーならぬ缶に籠るガソリンを吸っている。  デリラは、年老いた祖母のアボリジニの民族アートを手伝いながら暮らしている。  サムソンは、そんなデリラに好意を抱き、悪戯っ子のようなちょっかいを出すのだが、デリラは素知らぬ顔だ。  そんな二人を、『お前のお婿さんが見詰めているよ』とかなんとか言っちゃってからかうデリラのお婆ちゃんが実に良い。  しかし、そんなある日、お婆ちゃんは安らかに旅立ってしまう。  すると、近所に住むヒステリーババアが、『お前がしっかり世話をしないからお婆ちゃんは死んだんだ』とデリラに殴る蹴るの暴行を繰り出すもんだから、もうこんな村に居られるもんかと、二人は車をかっぱらって街に飛び出す。  しかし、街にも彼らの居場所はある筈もなく、白人先輩ホームレスの真似をして橋のたもとで暮らし始める。  街のギャラリーに入ってみたら、祖母の絵画が法外な値段で売られていたので、デリラも自分でも描いてみて、観光客相手に売り付けようと試したが、冷たくあしらわれてしまう。  この間、サムソンは駐車中の車から盗み出したガソリンをペットボトルに入れてラリパッパ中だ。  そんな折、デリラが車を転がしていた男どもに攫われてしまい……果たして、アボリジニの若い男女の行く末に如何なる結末が待ち受けるのか……といったストーリー。  白人先輩ホームレスは説教じみたセリフを滔滔と喋っていたが、サムソンとデリラの二人にはセリフらしいセリフがほとんどないので、丸でドキュメンタリー目線で二人の行動を追うことになる。  音楽も効果的に使われていて、結末のデリラの笑顔がちょっぴり爽やかな一見の価値はある作品だった。

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