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サムライ (1967)

LE SAMOURAI

監督
ジャン=ピエール・メルヴィル
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3.76 / 評価:179件

鳥かごのカナリアに代表されるカッコよさ。

先日お亡くなりになったナタリー・ドロンさんの追悼に何か観ようと思ってU-NEXTのラインナップ覗いてみたら「サムライ」と「華麗な関係」しかなく、ほんとは「個人教授」があれば嬉しかったんですが無くて、そういえばナタリー出演作って「個人教授」しか観てないぞ、ならば目の前に並べられた作品を手際良く観てやろうってことでまずこのフレンチフィルムノワールを観てみたところ、全シーンかっこよくてしびれました。大正解!

まずお目当てのナタリー・ドロン、やっぱり綺麗だ!時空を超えて好きになっても仕方ないぐらい綺麗だ!でも出番少なっ!
アラン・ドロン演じる孤高の殺し屋ジェフの恋人でありながら、アリバイ作りに口裏合わせ、執拗な警察の詰問をあしらうぐらいしか見せ場がない・・・もったいない!出演シーンそれぞれ2周してガン見しておきました。綺麗な顔立ちだけど、キラキラ輝いてるわけではなく、気怠げで、どこか物憂げで、でもそう簡単に自分のポリシーやフィロソフィーは曲げない強さを持ち、察しがよく、機転も利き、意味のないルールに縛られることのない人間。きっと惚れた男にはとことん尽くし、自由気ままなドロンライフを送りながらも家を放ったらかしになんかしないよ絶対。そんな俺ジナルプロフィールというかただの妄想か願望を考えてたら、いま一番好きな女優さんになったかも知れません。亡くなってから好きになるというロマンチックは令和に生きていた。
そんな魅力的なナタリーを不要不急的に扱ったメルヴィル、それを補うためか(絶対に違う)、クラブのクローク係の女優さんが超可愛かったです。クラブの黒人女性ミュージシャンも魅力的。

ナタリーに関しては消化不良を起こしてしまいましたが、映画自体はとても気に入りました!
オープニング、アランがベッドでタバコをドロンしてる部屋を静かに捉えるショットから釘づけ。
作品全体的に低温で青みがかった映像、どこを切り取ってもキマリまくってるアングル、俳優の立ち位置、印象的な影の使い方、真っ赤な消火器の位置などなど他にもたくさん、中2的ではない本物のカッコよさに溢れてて唸らされっぱなし。鳥かごのカナリアがなんであんなにカッコいいんだ??

鍵が40本ぐらいついた鍵束から一つずつ鍵を選んでエンジンを掛けるという車を盗むシーンがあるんですが、そのサスペンスと共に、この時代の鍵の仕様とは?と、疑問と刺激を受けます。そして出てくる車がぜんぶカッコかわいいんですよ。大きめの作りだけどデザインやラインはスッキリしてて、かつ、丸くもこっとしててかわいい。
「フレンチ・コネクション」より先にこんなのがあったのかと軽く驚かされる地下鉄での尾行シーンでは、ドロンって警察を煙に巻くアランと共に、私服姿で改札で働いてるおばさんや、把手がついてて手動でドアが開閉できたりしてこれまたデザインや色合いがカッコかわいい地下鉄、クライマックスのクラブでの展開ほか、見どころしかありません。

やや苦手意識のあったアラン・ドロンのことを、初めてカッコいいと思ったのが大きな収穫!
端正なマスク(昭和的表現)、射るような鋭い眼光、帽子のツバの角度を鏡で確認し、ほんの少しだけ肩をいからせて腋をしめ、両手をコートのポケットに入れ(防寒ではなく)、ある意味コミュ障なほど口数が少なく、笑顔など見せない孤高の雰囲気。役柄がそうだからと言ってしまえばそれまでですが、惚れました。

侍をイメージして作られたという、パリを舞台にした殺し屋の物語ですが、侍について、オープニングに字幕で説明があります。

“侍ほど深い孤独の中にいる者はない。おそらくそれは密林の虎以上だ” ~『武士道』より~

分かったような分からんような説明ですが、虎が邪魔なんでしょうね(笑)。この件、まったくの創作だそうですが、アラン・ドロン演じるジェフという男について一切の説明がない点は、確かに深い孤独をよく表していたと思います。

ウォルター・ヒル「ザ・ドライバー」やゴズリング「ドライブ」は本作から多大なる影響を受けた作品の代表だそうで、近々前者をリピートします。

詳細評価

物語
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映像
音楽

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