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ザ・ヤクザ

ザ・ヤクザ

THE YAKUZA/THE BROTHERHOOD OF THE YAKUZA

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4.0

「義理」は「義務」ではない

「義理」と「義務」の違いは何か。「義理」は英訳するとobligatonあるいはdutyとなり、それをまた日本語に訳すと「義務」となる。ということは、「義理」=「義務」なのか。それを理解しない限り、この映画の本質はさっぱり理解できないだろう。 ベネディクト著「菊と刀」によると、義理とは自分の受けた恩恵に等しい分だけを、限られた時間で返す負い目のこととされる。義務とはどんなに努力しても返しきれず、時間的にも限りない精神的債務とされる。ここでの違いで気をつけることは、義理とは精神的に気の進まない負い目であり、義務にはそのような意味はない、という点である。 この映画の中で、タナカはしきりに「giri」を口にする。どのくらいの人にその意味が伝わったのかは(日本人も含め)理解することは難しいが、ハリーは「義理」のために指を詰めたのである。これほど義理堅いストーリーの作品は、邦画でも少ないのではと思わせる。さすが健さん、さすがミッチャムですね。

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