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猿の惑星

猿の惑星

PLANET OF THE APES

113

ジャビえもん

5.0

ネタバレ人間の惑星

とにかく音楽が素晴らしい。 ジェリー・ゴールドスミス――。彼の才能の豊かさに、改めて感心します。 まず、最初のテーマ曲。 不気味さや、不安感、孤独感といったネガティブな感情を煽り立てながらも、未知なる世界にいざなう、この特異な楽曲。彼ならではの仕事っぷりです。彼の作曲したものの中では、「オーメン」のテーマ曲に並ぶ傑作です。 劇中で使われる楽曲も秀逸です。 場面にぴったり合っている。 それだけでなく、場面をいっそう盛り上げている。 映画音楽はこうあるべき、というものを教えてくれます。 とりわけ、前半で主人公たちがゴリラ軍団に狩られるシーン。ゴリラ軍団がその全貌を露にした際に流れる楽曲の見事さ。 音楽をあえて入れない演出もありますが、ここは絶対に音楽が必要だし、これこそがその音楽だ、と納得させられてしまいます。 また、主人公が猿の街を逃げ回るシーン。ここも音楽効果が抜群です。 使用している楽器の選択まで計算されていて、この作曲家は何ものにもとらわれずに新しいことに果敢に挑戦する人なのだと、敬服します。 映画の一つの核は、コーネリアスが主人公の話を一向に受け入れようとしない場面と、猿たちによる審問会のシーンです。 自分たちの価値観と相反するものを頑なに拒む姿、人間そのものです。 そして、科学よりも信仰を重んじる姿、人間そのものです。 いまどき、科学より信仰、なんて思っている人、いないんじゃない? と言う方もいらっしゃるでしょう。しかし、地球上の紛争の多くが信仰の対立によるものだという事実を考えれば、今もなお、人間世界は変わっていません。実際、手をかざせば病気が治るんですなどと言って、医学より信仰が重要だと説く宗教団体、存在していますからね。 ラスト近くで、ザイアス博士が猿の聖典の一節について語ります。そこに書かれている人間についての記述は、今の人間そのもの。 この映画は、ラストでも示しているように、人間のあり方に疑問を投げかけ、このままでは大変なことになると、警告を与えている、そんな映画です。 ただ、一つ難点を言えば、猿たちの話している言語。 なんで英語なの? そもそも、猿が英語を話していると知った時点で、主人公はおかしいぞって気づくはずでしょ。 ここは地球、しかもアメリカだった、というラストの落ちの伏線とも言えますが、あまりにお粗末。 アメリカ人は、言語といえば英語、それ以外は存在してねえよ、と思ってるんでしょうね。 まさに、猿。 それでも、笑えるシーンなんかもあって、娯楽作としては最高傑作です。 一番笑えるのは、審問会の猿たちが「見ざる聞かざる言わざる」のポーズをとっているところ。監督もチャールトン・ヘストンも、親日家だったそうです。

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