シリーズ完結編、もうひとつの未来
- Julienne さん
- 2015年6月28日 13時55分
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前作で1991年にコーネリアスの子シーザーが
人間に奴隷にされていた猿たちを率いて反乱を
起こしたその後の物語、
ですけど冒頭では西暦2670年、
およそ700年後にオラウータンが子供たちに
シーザーの伝説を話して聞かせてるっていう
ていのオープニングです。
猿社会で人間は従来どおりフツウに会話する、
猿たちもみんな話せる、シーザーが王に君臨する
集落なので表向き猿と人は対等なようですけど
実は猿の支配社会っていう微妙な関係の中、
彼の側近を務めるアフリカ系アメリカ人は
マクドナルドで、前作でしゃべれないフリをしてた
シーザーを助けた人物と同じ名前、
彼は前知事の補佐官をしていた人物の弟、
つまりシーザーを助けたマクドナルドの弟で
同じ苗字ってこと。
第2作に出てきた地下に潜む超能力者たちの
先祖が、猿による支配から逃れて地下の廃墟で
放射能に侵されながらコミュニティを形成。
彼らの会話から判断すると
人類が起こした核戦争の12年後です。
ってことは1973年生まれのシーザーが
反乱時に18歳、その12年後+αで
シーザーが40歳+αのときのお話。
両親のことを知ろうと資料を求めて廃墟を訪れた
シーザーたちが、地下人類たちの攻撃にあう。。。
解説にはたいてい彼らをミュータントって
書いてるんですけど、これはシーザーが
放射能に侵されて心まで醜くなっていた彼らを
見て「普通じゃない」っていうイミで言ったもので、
「突然変異体」的なニュアンスとは少し違います。
彼らは核戦争の生存者で20世紀の人間社会の
れっきとしたフツウの人類です。
12年間平和を守ってきた彼らがシーザーたちの
侵入でふたたび戦争中の好戦的な人間に戻って
猿の集落に懲りずに攻撃を仕掛けるって言うお話。
人間は平和的な猿と違って常に争いごとを求める、
それがシーザーに逆らうゴリラたちといっしょ
っていう皮肉的な描写です。
やがて猿社会も変化を遂げて、テイラーが訪れた
3955年のような猿の支配するしゃべれない
人間ばかりの世界になるのかと思いきや、
700年後も依然として猿と人間が平等に
共存し続けてるように、違う未来に向うかも
しれない、博識のオラウータン・バージルの
言うとおり、未来は変えられるってことを
匂わせての締めくくりです。
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