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36時間 (1964)

36 HOURS

監督
ジョージ・シートン
  • みたいムービー 1
  • みたログ 11

3.50 / 評価:8件

日常とは素晴らしいものである

  • ser******** さん
  • 2009年1月25日 19時28分
  • 閲覧数 458
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

毎日退屈なくらい平和な国家・日本。
巷では不況による派遣切りだの、政治の貧困だのアメリカの《CHANGE》とはあまりにもかけ離れた、危機感のない《危機意識》に正直、平和ボケさえ意識しない国民性が羨ましい(笑)。ま、自分の足元にその危機が到達した頃は多分こんな文章だって書けやしないのだが(笑)、でもそれが多分《日常》というヤツなのだと思う。それほど変化のない日々=平和。退屈だけどやめられないかっぱえびせんみたいな現実だ。

でもそれがもし・・・全部嘘だとしたら?
誰かが作り上げたニセの世界にそうとは知らずただ入り込んでいる、それを日常だと感じているだけかもしれない。まるでフィリップ・K・ディックの世界観だが、正直我々は平和という幻想の上にただあぐらをかいているだけなのではないか。戦後一貫して平和を満喫してきた日本国民だが、実際平和とは争いの日々の中のごく短い瞬間だといわれる。戦争と平和、その言葉を世界に問えば、例えばパレスチナなんかは日々戦争こそが《日常》なわけで我々の考えるものとはあまりにもかけ離れた現実の前に人々は生きている。むしろ彼らにとって平和こそが幻想=ウソだと感じているのかもしれない。

この「36時間」は戦争という《現実》を前に、《平和》というウソの《日常》を吹き込まれた男が次第にその裏にある敵の策略に気づき、そこから逃げ出そうとするスパイスリラー。それは第二次大戦下のドイツ。ケガで意識を失い運ばれた場所で、
「既に戦争は終わった」
と諭されたアメリカ兵士。当然それを疑うも周りの環境は既にナチが暴れたあの時代ではなく、連合国によって平和がもたらされた、と喜ぶドイツの人々の姿が!段々とその《現実》を受け入れていく主人公。だが、そんな裏で秘かに進行していたのはノルマンディー上陸作戦の情報を聞き出そうとする陰謀だった・・・。

「24」じゃないが、「36時間」という決められた時間のカセの中、主人公はどうやってその罠を抜け出すか。それが見所のなかなか優れたスリラーものだが、面白いのは戦争を《日常》にして生きている兵隊がいざ平和、というキーワードを前にどんな反応をするかである。なんせ記憶を失っていたのはたった数日、いや数時間のはずなのにどーしてこんな事が!?なかなか受け入れられない主人公にいかにも優しく平和をとくドイツ人の顔。昨日の敵は今日の友?人間、そんなに急に変われるはずねーよ!(笑)。
でも本気で一瞬信じてしまう。それが人間の悲しい性か、それとも?

ドンパチばかり描くのが戦争映画ではない。
いかに現実と向き合って平和を尊べられるのか。この映画は異色の題材をうまく使いながら、ふと《日常》という時間の疑念に対して皮肉をこめて描いた映画。もちろんサスペンスたっぷりの娯楽作として楽しめる秀作です。

それにしてもこんな《日常》でもやっぱり素晴らしい。
今、日本を覆う重い影。
不況、経済危機、多発する犯罪、そして相互の人間不信。
それでもわが国は少なくとも他の国よりは《平和》なのだから。
それが《ボケ》の一つだとしても、誰かが作り上げたウソだとしても。

でも本当にウソ、だとしたら?
幻想だとしたら?
本当は官僚や政治家、もしくは再び《カミカゼ》=反乱を起こさせないためにアメリカが作ったウソの世界なら?

ま、だまされている方が今の日本国民には幸せかも(爆)
ビバ!平和!
ビバ!ノンノン!(なんのこっちゃ)
こんなバカな事を書けるだけでも私の周りはまだ《平和》という日常が蔓延している証拠です(笑)

嗚呼、日常って素晴らしいなあ!

詳細評価

物語
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映像
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  • 不気味
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