ノルマンディ上陸作戦を巡るスパイ合戦は?
- hoshi595 さん
- 2019年12月13日 3時40分
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第二次世界大戦中最もよく知られた戦いの一つでもあるノルマンディ上陸作戦。「史上最大の作戦」や「プライベート・ライアン」など過去に映画化された作品では上陸の際の過酷な戦いが描かれている。本作品は、上陸作戦が間近に迫り場所が特定されていない中、水面下で広がるスパイ合戦の模様に焦点が当てられている異色作。
物語は、当時上陸地点の有力候補だったカレー港とノルマンディのどちらに、いつ上陸するのかを知るため、ドイツ軍のスパイが暗躍していた中、米軍情報部のパイク少佐はいつもと変わらぬ行動で作戦をさとられないよう行動するのだが、ドイツ軍もあらゆる手段で情報を集めていて奇策を謀り対抗することになる。
監督は、「喝采」で監督・脚本・製作を手がけアカデミー賞脚色賞を受賞したジョージ・シートン。主役は、「かわいい女」で主役のフィリップ・マーロウを演じたジェームズ・ガーナー。ヒロイン役は、マーロン・ブランド主演「波止場」で初出演ながらアカデミー賞助演女優賞受賞のエヴァ・マリー・セイント。
これだけでも役者が揃っているのだが、本作品では共演者の存在も大きい。米国育ちながらドイツ軍の医師として諜報活動に関わることになった男を、アルフレッド・ヒッチコック監督作品「鳥」で主役を務めたロッド・テイラーが演じる。医師としての輝かしい実績も軍事目的に利用されるという複雑な心境を見事に演じている。
また、親衛隊の大佐で自分の出世しか考えない非常な男を、「バルジ大作戦」でコーラー将軍役を好演のウェルナー・ピータースが演じている。ドイツ軍の軍服が似合い戦争映画には欠かせない存在である。
主役とヒロインと二人の重要な共演者の4人を中心に繰り広げられる物語は心理作戦が色濃く出ていて、へたなサスペンス映画もかなわない緊張感が漂っている。また、小さな傷や、指輪などの些細な事から事態が急変する有様は、ヒッチコック映画を見ているようだ。果たして秘密は守られたのか?結末は如何に?
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