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サン・スーシの女 (1982)

LA PASSANTE DU SANS-SOUCI

監督
ジャック・ルーフィオ
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4.28 / 評価:18件

発掘良品を観る #520

  • 一人旅 さん
  • 2019年7月4日 21時29分
  • 閲覧数 235
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

ジャック・ルーフィオ監督作。

ブニュエルの『昼顔』(67)やメルヴィルの『影の軍隊』(69)の原作者として知られるフランス人作家:ジョゼフ・ケッセルによる1936年発表の小説「La Passante du Sans-Souci(サン・スーシの流れ者)」をジャック・ルーフィオ監督が映像化した作品で、本作は悲劇の晩年を過ごした名優:ロミー・シュナイダーの遺作となっています。

世界人権擁護委員会の代表:マックスが、対面したパラグアイ大使の本名を確認した瞬間、彼を射殺する。逮捕されたマックスの元に妻:リナが面会に訪れる。するとマックスは、ナチスが台頭した暗黒の時代に翻弄された自身の生い立ちを語り始めた―というお話で、パラグアイ大使の射殺に至った真相を、マックス自身の回想により紐解いていく内容となっています。1933年から始まるマックスの少年時代における一連の悲劇と、大使を殺害したマックスを巡る現在の裁判シーンが交互に映し出される構成となっていて、マックスの口から語られる過去の記憶が現在の彼の行動に帰結していく作劇に唸らされる名編であります。

本作は、ナチスが台頭した30年代ドイツの暗黒の時代に翻弄されたユダヤ人の男の半生を悲劇的に描き出し、善良な人々に対してナチスが行った蛮行を改めて糾弾しています。男が心に抱きながら生きてきた、半世紀が経過しても決して癒えることのない悲しみと、愛する人を奪った人間に対する深い怒りと憎しみの爆発が、理性が崩壊し欲望が台頭したナチス・ドイツの許されない罪の重さを激しく物語っていて、“戦争の時代が幕を閉じても、個人の苦しみは永久に終わらない”―という揺るぎなき事実を突き付けています。

フランスを代表する名優:ミシェル・ピッコリが心に癒えない悲しみを湛えた主人公を静かに名演、そして現在の妻:リナと少年時代の義母:エルザを一人二役で演じ切った故ロミー・シュナイダーの熱演が見事な名編で、デビューしたてのジャン・レノも端役で顔を見せています。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

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